「生地にめちゃめちゃ味がある」香ばしい焼きたてのパンが並ぶベーカリー

愛知県西尾市に、自家製の天然酵母を使った手づくりパンが人気のベーカリーがある。

姉妹が切り盛りするこの店は、畳敷きのイートインスペースや、アレルギーを持つ子供でも安心して食べられるパンなど、親子にうれしい店として人気だ。

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屋根瓦に煙突、目印は渋い緑色の壁。愛知県西尾市にある「かぞくのパン はっぱや」。

店内には、焼きたてのフランスパンにライ麦を使ったカンパーニュなど、パン好きが好みそうなものから、子供向けのキャラクターのパンまで揃っている。

女性客A:
生地にめちゃめちゃ味がある。おいしかった

女性客B:
子供の遊べるところ、食べながら遊べるのもいいし、何よりパンがおいしい

家族が笑顔になる店を 石窯には子どもの成長願い「麻の葉柄」をデザイン

店を営むのは、姉妹の小林稚隼さんと櫻井麻菜さん。そして、母親の和枝さんと父親の有三さんがサポートしてくれている。

親子で安心して寛げるカフェを開きたかった姉の稚隼さんと、育児と両立をしたかった妹の麻菜さん。2人が目指すのは、家族みんなが笑顔になるお店。

店内の床や石窯にデザインされているのは、「麻の葉の柄」。店名の「はっぱや」には「麻は丈夫で成長が早いため、子供の健やかな成長への願いがこめられている」と稚隼さんは話す。

かめばかむほど麦の香ばしさが…食欲そそる約25種類のパン

午前10時、開店。待ちわびたお客さんが続々と入店する。ショーケースにはおいしそうなパンがずらり。毎日、約25種類のパンが並ぶ。

かめばかむほど麦の香ばしさを感じられる「石窯カンパーニュ」(712円)や、マスカルポーネとクリームチーズの生クリームを生地にたっぷりと挟み、モチッとした食感を楽しめる「マリトッツォ」(259円)。

生地の間にドライトマトを入れた「ドライトマトとバジルとチーズ」(259円)。

バジルソースとこんがりと焼けたモッツァレラの香りが食欲をそそる。

一番早い父親は午前3時から準備「私も何かやらないと」

遡ること7時間前の午前3時。一番早く店にやってきた父・有三さんは、慣れた手つきで石窯に火を入れる。石釜で焼かれたパンは、遠赤外線で表面がパリパリ、中はふっくら。

父・有三さん:
嫁と娘の3人がやっているので、私が何かやらないかんやろって…

父もしっかりと、娘たちを支えている。

コクを生み出すのは自家製の天然酵母 じっくり熟成させた生地はふわふわに

午前4時、稚隼さん・麻菜さん姉妹もやってきた。麻菜さんは、前日に仕込んだ一次発酵が完了している生地を1つ1つ細かく分割していく。

天然酵母は、糖を分解してアルコールと炭酸ガスを発生させる性質から、食べ物や飲み物を美味しくして、香りをよくすると言われている。

こちらでは、レーズンを使った自家製の天然酵母を使う。天然酵母でじっくり熟成させた生地を短時間で焼く。これが深みやコクを生み出すおいしさの秘訣だ。

午前5時。釜の火入れも終わり、焼き始める。はじめは高い温度で焼くフランスパンなどのハード系を。温度が下がってきたら、ふわふわのパンを。

釜の温度に合わせパンの種類をかえていく。最後は低温で長時間焼く食パンだ。

子供向けのパンは牛乳や卵不使用 アレルギーを持つ子供にも安心

稚隼さんのおすすめのパンは、「三河しらすのタルティーヌ」(259円)。碧南のしらすに、ネギとチーズを合わせた。小麦を感じながら、広がるネギとしらすの香りが絶妙だ。

また、「レーズンクリームサンド」(259円)も。豆乳とココナッツオイルを使っていて、ココナッツの風味がいいアクセントに。

中でも1番の人気は、「はっぱや食パン」(1斤432円)。100%天然酵母によって生み出されたモチモチ感と、石釜で水分を逃がさず焼かれたパリパリ感は、食べ応え十分だ。

可愛いいキャラクターのパンもある。米粒の形にした「米粉3兄弟」(3個194円)。豆乳と米粉が練りこまれ、柔らかい生地で小さな子どもでも食べやすくした。

「ぱんだちゃんパン」(270円)は、中に自家製のツナポテトが詰まっている。シンプルで毎日食べても飽きない味だ。

中でも人気なのが、お店の看板犬のれいちゃんをモデルにした「れいちゃんパン」(270円)。黒ゴマ風味の生地の中にクリームが入っている。

姉・稚隼さん:
(クリームは)豆乳で作っているのであっさりと。れいちゃんパンを目指して来てくれる方もいらっしゃいます

こうした子供向けのパンには牛乳や卵を使っていないため、アレルギーを持つ子供でも安心して食べることができる。まさに、親子にうれしいパンだ。

イートインスペースは親子に嬉しい畳敷き…子供が遊べるキッズスペースも

この店の魅力は、パンだけではない。親子に支持されるもう一つの理由は、店のホスピタリティだ。

畳敷きがうれしいイートインスペースに、絵本やおもちゃのあるキッズスペースや授乳室まで。おばあちゃんの家に来たようなホッとする和の雰囲気だ。

女性客C:
こんな遊べるスペースがあるなら、よし行こうって。授乳スペースとかも

女性客D:
畳っていうのがまたいいです。(家に)帰ってきた感がある

姉の稚隼さんは助産師をしていた時、母親が赤ちゃんを連れて気軽に出かけられる場所が少ないと感じ、お母さんも安心して寛げる場所を自ら作りたいと考えていた。

妹の麻菜さんはもともとパンの店で働いていたこともあり、出産を機に2020年の夏、姉妹でこの店を開いた。元助産師の姉と母親となった妹が、理想の形を求めて作ったパンの店は、親子に心地よく、おいしいお店だった。

店を切り盛りする娘たちを見て、両親は…

有三さん:
いいですね、嫁も頑張っていますし。本当に「かぞくのパン はっぱや」です

和枝さん:
今後、2人が努力して仲良くやってくれるんじゃないかなって。陰ながら応援しています

「畳スペースでベビーヨガなども」 “かぞくのパン”の夢

午後4時。閉店を前に、ほぼ全てのパンがなくなったところで店じまい。

将来について、稚隼さんは「畳スペースでベビーヨガや産後ヨガをやりたい」、麻菜さんは「美味しさを追求するために、石釜や天然酵母についてさらに勉強したい」とそれぞれの夢を語った。

「かぞくのパン はっぱや」は、愛知県西尾市楠村町。日曜と木曜が休日。

(東海テレビ)