“妻子6人殺害し放火”の男

子ども用の自転車に乗り、笑顔を見せる小松博文被告(36)。
妻と5人の子どもを殺害し放火した罪に問われている。

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小松被告は、事件直後は罪を認めるような発言をしていたものの、31日の初公判では「事件の記憶がないから分からない」と主張した。

直後は「自宅に火をつけた」と出頭

事件は2017年の10月、茨城県日立市にある県営住宅で起きた。

ここで妻の恵さんと、当時3歳から11歳の子ども5人と暮らしていた小松被告は、恵さんから離婚話を切り出されたことをきっかけに、6人を刃物で刺し放火したとみられている。

亡くなった小松被告の妻と5人の子ども
亡くなった小松被告の妻と5人の子ども

事件後「自宅に火をつけてきた」などとして地元の警察に出頭した。

事件の翌2018年には拘置所内でFNNの取材に応じ、「事件に対しては否認しないし争うこともしない」などと容疑を認めるような発言をしていた。

初公判で「事件の記憶を失っている」と主張

そして迎えた5月31日の初公判。
頭を短く刈り上げ黒眼鏡姿で出廷した小松被告は「倒れてから記憶がないので、分からないとしか言えないです」と主張した。

実は小松被告、FNNの取材から9カ月後、勾留中に倒れ、一時心肺停止状態になり、その影響で、記憶障害になったとして「事件の記憶を失っている」と主張したのだ。

弁護側も「事件当時の記憶が欠落し真実を述べることができない」として裁判の停止を求めた。

裁判長は記憶障害については認めたが、小松被告が「訴訟行為を理解している」などとして裁判停止の求めは退けた。

妻と子、6人を殺害した罪に問われる被告が、事件の記憶が欠落していると主張する異例の公判。

裁判員裁判による判決は6月30日に言い渡される。

(「イット!」5月31日放送)