ペット不可のマンションだから…家族にアレルギー持ちがいて…。猫に癒されたい!けれども事情があって飼えない。そんな人のために“猫だけど猫じゃない”クッションが登場した。

それが、おしゃべり人形・ぬいぐるみシリーズを展開する株式会社パートナーズの、猫を飼っている感覚が味わえるクッション「ミャウエバー(MeowEver)」だ。

寝ている猫に見えるクッション「ミャウエバー」
寝ている猫に見えるクッション「ミャウエバー」
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その形は、頭に付いた2つの耳、お尻にはふわりと伸びた尻尾。そして柔らかそうな丸いフォルムに全身を覆うフワフワの毛と、まるで寝ている猫の姿のようなクッションなのだ。

サイズ(幅250ミリ × 体長525ミリ× 高さ130ミリ)や重さ(約2キロ)も平均的な猫とほぼ同じで、内部には電子レンジで温めるカイロを内蔵することで、抱っこしたり膝の上に乗ってくる“猫のほんのりとした温もり”も再現している。

カイロ内蔵で猫の温もりを再現
カイロ内蔵で猫の温もりを再現

さらに、背中をなでると内蔵のセンサーが反応し、猫が甘える際に出す“ゴロゴロ音”を再現。これは音だけでなく同じく内蔵された振動ユニットでゴロゴロ時の喉の微妙な振動まで、リアルに感じられるとのことだ。

そして、猫の鼓動スピードに近い120回/分と、60回/分に切り替え可能な心音ユニットでドキドキと猫の鼓動も演出。本物の猫を抱くかのような感覚を味わえるそう。
ただ、顔の部分はあえて作らず、使う人が”自分だけの理想の猫さん”を投影できるようにしているという。

鼓動もあり、まるで生きているかのよう
鼓動もあり、まるで生きているかのよう

ちなみに「ミャウエバー(MeowEver)」という名前は、猫の鳴き声の「Meow」と常にを意味する「Ever」を組み合わせ、”いつも猫といっしょ”との想いをこめて名付けられている。

アルカリ単4電池2本で連続11時間使用可能。電子レンジで温めてから40分~50分は温かさが持続するジェルカイロが1つ付いて、一般販売予定価格は9500円(税込み)。6月21日までは、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売しており、9025円(税込み)で応援購入できる。毛色はグレーと黒の2種類。

平均的な猫とほぼ同じサイズ(重さは約2キロ)
平均的な猫とほぼ同じサイズ(重さは約2キロ)
反対から見るとこのような感じに(耳の中がピンク色となっている)
反対から見るとこのような感じに(耳の中がピンク色となっている)

なおクラウドファンディングは4月22日に始まり、すでに目標金額(56万5600円)は達成し、現在は2306%の1317万1640円に達している(5月13日時点)。

本物の猫に近づけたという「ミャウエバー」は、猫好きの人にはとても嬉しいクッションとなるかもしれない。

猫らしさをとことん再現したというが、実際モデルにした猫はいるのだろうか?また、ここまで再現した猫を開発するにいたった理由とは何なのだろうか?

株式会社パートナーズ・ミャウエバープロジェクトリーダーの大澤孝さんに話を聞いた。

自分の“理想猫”を反映できるデザイン

ーー「ミャウエバー」誕生の経緯を教えて。

私自身は大の猫好きで幼少時は実家で6匹の猫と暮らしていたこともあるのですが、今は家内が猫アレルギーであることもあり、猫に触れる機会がめっきり少なくなってしまいました。そんな「猫分不足」の状態でデスクワークをしているときに、ふと“今ひざの上に猫がいたらいいのに…”と思ったことがきっかけで、企画がスタートしました。

「目を閉じたらまるで膝の上に猫さんがいるように感じる」状態を目指し、ミャウエバーチームを立ち上げて検討を開始しました。


ーーモデルとなった猫はいるの?

私も含めて周囲の猫好きにヒアリングしたところ、自分の理想とする猫は千差万別であることを強く感じました。そのため、あまり猫のイメージを具体的に表現しすぎずに、自分のイメージの“ベスト猫”を反映できるように抽象的なデザインとなっています。

自分の考える理想の猫こそがモデル
自分の考える理想の猫こそがモデル

ーーデザイン面でこだわった部分は?

いろいろございますが、猫さんのチャームポイントの一つである“おしりのフォルム”“しっぽの形状”には特にこだわっています。

こんもりとしたおしりのフォルムは猫さんらしさに大きく影響するので、スケッチでさまざまな角度を検討したうえで試作をおこない、撫で具合を確認しながら微調整を繰り返しました。また、しっぽの形状もベストな太さを再現するために、均一の太さではなく先に行くほど微妙に細くなる形状としています。

本物の猫の音を採用した本格的なゴロゴロ体験

ーー猫のような撫で心地を感じる毛並みやフカフカ感はどうやって再現しているの?

毛足の長さや中身の綿のやわらかさなど、実際の猫さんのモフモフ感の再現のために多くのサンプルを作成して、ベストなモフり具合のものを採用しています。また内蔵のジェルカイロは、温かさの再現だけではなく、猫さんのほどよい重さや“液体感”の再現にも一役買っています。

撫で心地も本物を再現
撫で心地も本物を再現

ーー「鼓動」「ゴロゴロ音・振動」「ぬくもり」といった猫の要素は最初から考えていたの?

当初は猫さんの鳴き声を入れたり、顔が見えるようにしたりといった案も出ていたのですが、「猫のことは猫好きに聞こう!」と考え、全国の猫好きの集まるフェリシモ猫部様にコラボレーションを持ちかけたところ、こころよく承諾していただきました。

最終的なデザインや機能については、猫部のSNSフォロワーのみなさまにアンケートをとりながら、猫部のみなさまとディスカッションを行い、今の形におさまりました。


ーー猫に似せるために特に苦労した部分は?

ゴロゴロ音の再現には特に苦労しました。当初は音だけで再現することも考えたのですが、実際にテストをしてみるとあまりゴロゴロ感がなく、音と連動した微妙な振動が必要だということがわかりました。

そのため振動を再現するためのユニットを開発し、振動の強さを微調整しながら、本物の猫さんのゴロゴロに近づけるように研究を行いました。その結果、かなりリアルなゴロゴロを再現できたと自負していますので、ぜひ商品を手に取って確かめていただければと思います!
 

ーーそのゴロゴロ音は本物の猫の音?

ゴロゴロ音は、SNS上で募集した「猫さんゴロゴロ自慢コンテスト」に応募いただいた猫さんのゴロゴロ音をそのまま使用しています。

SNSで募集した「猫さんゴロゴロ自慢コンテスト」(既に終了)
SNSで募集した「猫さんゴロゴロ自慢コンテスト」(既に終了)

猫好きさんにとっての至福の時間

ーーより猫っぽく感じられるオススメの使い方を教えて。

ミャウエバーをそっと膝にのせて目を閉じ、心の中で“自分の理想の猫さん”を思い浮かべながら、やさしく撫でてあげてください。きっと猫好きさんにとっての至福の時間が味わえると思います!


ーークラウドファンディングで1000%以上を達成しているが、その反響をどう思う?

メンバー一同あまりの反響に驚いていますが、同時にさまざま事情で“猫を飼いたくても飼えない”方が世の中にたくさんいるということを実感しています。ミャウエバーが少しでもそんな方々の心を癒す存在になれればと思っています。

猫と過ごす至福の時間
猫と過ごす至福の時間

ーーちなみに、本物の猫も興味を持つと思う?

ミャウエバーは猫を飼いたくても飼えない方に向けた商品ですが、もしかしたら猫さん自身にも興味を持ってもらえるのではないかと思っています。新しい生活をはじめて不安な仔猫が親猫の心拍音を聞いて安心するというお話も聞きますので、もしかしたらミャウエバーが仔猫の心を癒すこともできるかも?と期待しています(今後検証予定です)。

猫が居そうな所に置くだけでも、猫が居る生活に様変わり
猫が居そうな所に置くだけでも、猫が居る生活に様変わり

カラーバリエーションに関して多くの人から要望があるそうで、「将来的にはさまざまな毛色の猫さんを展開したいと思っています」と話してくれた。

なお今後の一般販売に関しては、現在展開しているグレー・黒の2色展開で8月以降を予定している。

コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えた人は多いことだろう。飼えないけれども猫の雰囲気を感じたい人だけでなく、飼う前に猫のいる生活を体験してみたいという人には、このクッションはピッタリかもしれない。

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プライムオンライン編集部
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