渡邊雄太は4月19日、トロント・ラプターズとのNBAの本契約を結び、S-PARKの独占インタビューに応じた。

「素直にうれしいです」という率直な感想で始まったこのインタビュー。

NBA参戦3年目にして田臥勇太、八村塁に続く日本選手3人目のNBA本契約を勝ち取った今の心境と、自らが分析する契約につながった理由について迫った。

「継続してやってきたかいがあった」

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「まずは本契約を獲得するということを一番近い目標にして、NBA1年目からずっとやってきていて、それでもなかなか結果がでずに苦しい時期もあったんですけど、こうやって努力が実ったというか、いままで継続してやってきたかいがあったなという感じがしています」

NBA3年目にしてトロント・ラプターズとの本契約を勝ち取った渡邊。

グリズリーズでの渡邊
グリズリーズでの渡邊

渡邊は2018年、ジョージワシントン大学からドラフトを介さず、“2ウェイ契約”でNBAメンフィス・グリズリーズに入団した。

この2ウェイ契約は、NBAの下部リーグであるGリーグでプレーしつつ、年間で限られた試合のみ(今季は50日)NBAでプレーできるという、言わば『育成選手向けの契約』だ。

今シーズンはラプターズと2ウェイ契約を結びプレーしていたが、ここまでの活躍が認められ、19日、一人前のNBA選手として、チームと本契約を結んだことが発表されたのだ。
 

本契約直前のオフェンスでのインパクト

「1週間くらい前からそういう話が進んでいるというのは、ちょくちょくエージェントを通して聞いていて。ただ『まだ確定では無い』とも言われていたので、『雄太が試合で活躍すればするほど本契約にも結びつけやすくなるから、このまま頑張れ』というふうに言われてたんですけど」

1週間ほど前、目標だった本契約まであと一歩と言われた渡邊。

すると、14日に行われたサンアントニオ・スパーズとの試合で、スリーポイントシュートを含む11得点をマーク。

3試合ぶりに二ケタ得点を挙げると、さらに続く16日のオーランド・マジック戦で第1クォーターから出場すると、スリーポイント、ダンクと、27分間で自己最多の21得点をあげた。

チーム2番目となる得点をあげ、勝利に大きく貢献したことを印象づける試合だった。

18日にもオクラホマシティ・サンダー戦で10得点をあげ、自身初となる3試合連続2ケタ得点。

1週間に渡ってオフェンスで強烈なインパクトを残し、19日の本契約につなげた。

「ディフェンスはずっと開幕当初から評価をしてもらえていたので、ただ問題はオフェンス面にずっとあって。今まで出来ていたディフェンスに加えて、そういうオフェンスの面で評価が上がったからこういう本契約に繋がったのかなと思います」

22日に行われたブルックリン・ネッツとの試合では早速出場し、14分の出場で5得点1アシスト3リバウンドと結果を出している。

世界最高峰のプレーヤーたちが集う、世界最高峰のNBAの舞台で、2ウェイ契約から本契約を勝ち取ってみせた渡邊。

八村塁と共に、日本バスケットボール界の未来を切り開く。