新型コロナウイルス対策として期待されるワクチン。医療従事者向けから始まったワクチン接種は、高齢者、一般向けへと順に行われていく予定だ。

しかし、いざ案内が届いたとき、どう対応すればいいのか分からないという人もいるかもしれない。この記事では、厚生労働省が公開している情報を基に、接種の案内と手続きで確認しておきたいポイントをお伝えする。

接種期間は2022年2月末までの予定

ーー接種が受けられる時期はいつまでですか。

接種を行う期間は、令和3年2月17日から令和4年2月末までの予定です。最初は、医療従事者等への接種が順次行われます。その後、高齢者、基礎疾患を有する方等の順に接種を進めていく見込みです。なお、高齢者への接種は、一部の市町村で4月12日に開始される見込みです。当初は実施する市町村や接種する人数が限られており、順次拡大していきます。
※令和3年=2021年、令和4年=2022年


ーー接種回数と接種の間隔はどれくらいですか。

2回の接種が必要です。ファイザー社のワクチンでは、通常、1回目の接種から3週間後に2回目の接種を受けます。1回目から3週間を超えた場合には、できるだけ早く2回目の接種を受けてください。

米国・ファイザー社のコロナワクチン
米国・ファイザー社のコロナワクチン
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ーー接種の対象や受ける際の接種順位は?

新型コロナワクチンの接種対象は、接種する日に16歳以上の方です。大量のワクチンは徐々に供給が行われることになりますので、一定の接種順位を決めて、接種を行っています。
現時点では、次のような順でワクチンを受けていただく見込みです。なお、全国民分のワクチンの数量の確保を目指していますので、順番をお待ちいただく方々にも、後から順次接種を受けていただくことができる見込みです。
 
(1)医療従事者等
(2)高齢者(令和3年度中に65歳に達する、昭和32年4月1日以前に生まれた方)
(3)高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方
(4)それ以外の方


妊娠を考えている方や妊娠中の方、授乳中の方、新型コロナウイルスに感染したことがある方も、ワクチンを受けることができます。詳しくはQ&Aをご覧ください。

接種順位の考え方※2021年3月18日時点(出典:厚生労働省)
接種順位の考え方※2021年3月18日時点(出典:厚生労働省)

「接種券」と「本人確認書類」が必要

ーー接種が受けられる場所はどこになりますか。

原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場で接種を受けていただきます。インターネットで、ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を探すための接種総合案内サイトを設置する予定です。そのほか、市町村からの広報などをご確認ください。
 
なお、次のような事情のある方は、住所地以外でワクチンを受けていただくことができる見込みです。具体的な手続きは、今後案内します。

・入院・入所中の住所地以外の医療機関や施設でワクチンを受ける方
・基礎疾患で治療中の医療機関でワクチンを受ける方
・お住まいが住所地と異なる方

 
また、医療従事者等の方等の接種場所については、勤務先からお知らせする予定です。

基本は住居地での接種となる(画像はイメージ)
基本は住居地での接種となる(画像はイメージ)

ーー接種を受けるための手続きを教えてください。

次のような方法で接種を受けることになります。

(1)接種の時期より前に、市町村から「接種券」と「新型コロナワクチン接種のお知らせ」が届きます。
(2)ご自身が接種可能な時期が来たことをご確認ください。
(3)ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場をお探しください。(接種が受けられる場所を参照)
(4)電話やインターネットで予約をしてください。
(5)ワクチンを受ける際には、市町村より郵送される「接種券」と「本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)」を必ずお持ちになってください。


なお、接種費用は全額公費(無料)で接種出来ます。

医療従事者等の方は、一般の方より先に接種が始まります。すでにワクチンを受けた医療従事者等の方にも市町村から接種券が送付されますが、そちらは使用しないでください。医療従事者等の方の接種方法については、勤務先を通じてお知らせする予定です。


ーー接種を受ける際の費用は掛かりますか。

全額公費で接種を行うため、無料で接種できます。

運転免許証などの本人確認書類が必要(画像はイメージ)
運転免許証などの本人確認書類が必要(画像はイメージ)

一度見送っても、期間内であれば後日の接種は可能

ーー住民票所在地以外での接種や、県外にあるかかりつけ病院での接種は可能ですか。

原則として住民票所在地で接種していただくことになりますが、次のような事情のある方は、住民票所在地以外でのワクチン接種が可能となります。

・住民票所在地市区町村外の医療機関や施設に入院・入所中で、その医療機関や施設でワクチン接種を受ける方
・基礎疾患で治療中の医療機関でワクチン接種を受ける方
・単身赴任、下宿などにより、お住まいが住民票所在地と異なる方(この場合、住民票所在地外接種の届出が必要となります。手続きはお住まいの市区町村で行います。市区町村によっては、コロナワクチンナビで手続きが可能です。)


ーー住所が変更となり、住民票所在地が変更となった場合、接種券の再発行は可能でしょうか。

接種券の発送後に住民票所在地が変更となった場合は、転入後の市区町村に申請を行うことで、接種券の再発行が可能です。具体的な申請方法等は、転入した市区町村へお問い合わせください。なお、引っ越し前の市区町村で接種券が既に発行されている場合は、引っ越し後の市区町村に転入届を提出するときに、できるだけ世帯全員の未使用の接種券を一緒に持って行っていただくようお願いしています。


ーー職域接種において、接種券が届いていない人も接種できますか?(6月15日追加)

接種券を受け取っていない方も職域接種の対象です。接種券が届いていない方の場合、予診票に記載した住所・氏名・生年月日等を本人確認書類により確認し、予診票は後日 被接種者が接種券を持参するまで企業・接種医療機関等において保管してください。


ーー接種券に有効期限はありますか。ワクチン接種を一度見送りましたが、後日、接種を受けたいと考えています。

接種が受けられる期間は、現在、令和3年2月17日から令和4年2月28日までを予定しています。この期間内であれば有効期限はありません。 ワクチン接種を一度見送ったが、後日接種を希望する場合も、接種は可能です。改めて接種の予約を行い、接種券をお持ちになって接種会場にお越しください。

医療従事者や高齢者が、ご自身の接種の時期に優先接種を受けなかった場合にも、次の順位の方の接種が始まった後に接種を受けることができます。 接種券は、医療従事者以外は同じものを使用していただくため、再発行は不要です。一方、医療従事者が優先接種ではなく一般の方の枠組みの中で接種を受ける場合は、お住まいの自治体から郵送された接種券をご使用ください。


ーー2回目の接種は、1回目の接種と同じ施設で受ける必要はありますか。

原則として、同じ施設で接種を受けてください。やむを得ない事情で1回目の施設で接種しない場合は、コロナワクチンナビで1回目と同じメーカーのワクチンを接種できる施設を探していただくか、住民票のある市区町村にお問い合わせください。


ーー1回目の接種後、2回目の接種を受ける前に住民票を異動させた場合、2回目の接種はどのようにすればよいですか。

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける方が転居された場合は、住民票の異動後に、転入先の市区町村予防接種担当課で接種券の再発行を受け、転入先の市区町村で接種を受けてください。接種券の再発行に当たっては、転居前の市区町村が発行した接種券が必要な場合があります。

接種は同意がある場合に限り行われる

ーー接種を受ける際の同意について。

新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。

予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないようお願いいたします。

⇒職場におけるいじめ・嫌がらせなどに関する相談窓口はこちら
⇒人権相談に関する窓口はこちら


ーー接種を受けた後に副反応が起きた場合の予防接種健康被害救済制度について教えてください。

一般的にワクチン接種では、副反応による健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が極めて稀ではあるものの、なくすことができないことから救済制度が設けられています。

救済制度では予防接種によって健康被害が生じ、医療機関での治療が必要になったり、障害が残ったりした場合に予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。

新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が生じた場合には予防接種法に基づく救済を受けることができます。なお、現在の救済制度の内容についてはこちらをご参照ください。

接種は自らの意思で行うものとしている(画像はイメージ)
接種は自らの意思で行うものとしている(画像はイメージ)

具体的な接種の流れは?告知例で確認

厚生労働省のウェブサイトではこのほか、自治体から地域住民に向けた接種のお知らせの例も掲載している。この例ではワクチン接種までの流れを3段階で説明しているので、こちらも紹介する。

1.接種可能な時期を確認する
新型コロナワクチンは、医療従事者など、高齢者、基礎疾患のある方などから順次接種を開始する予定なので、自身の接種の順番を確認し、順番が来るまで待ってほしいとしている。

2.医療機関/接種会場を探す
市町村からの広報やインターネットで、ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を探してほしいとのことだ。その上で詳しくは、接種総合案内サイト「コロナワクチンナビ」を参考にしてほしいとしている。

3.予約して、ワクチンを受ける
ワクチンを受けたい医療機関/市町村に問い合わせ、予約してほしいとしている。

ワクチン接種までの流れ(出典:厚生労働省)
ワクチン接種までの流れ(出典:厚生労働省)

※厚生労働省のサイト「新型コロナワクチン接種についてのお知らせ(2021年3月31日現在)」と「新型コロナワクチンQ&A」(2021年6月15日現在)、「職域接種に関するQ &A」(同)から内容を抜粋。

新型コロナワクチンをめぐっては、過去に前例のないペースで開発・普及が進んでいることなどから、接種に不安を抱く声も一部でみられる。こうした情報も是非参考にしてほしい。

・厚生労働省の新型コロナワクチンについてのQ&Aはこちら

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プライムオンライン編集部
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