新型コロナウイルス対策の切り札として、期待されるワクチンだが、これまでに1回目の接種を受けた人は78.6%、2回目の接種も完了した人は76.2%と、接種済みは8割に迫る状況だ。(11月24日時点 首相官邸発表)
ワクチンの効果かコロナの新規感染者が減少しているが、新たに3回目の接種(追加接種)への動きも始まっている。
そのような中で今、私たちはどのような準備をしたらいいのだろうか。厚生労働省が公開している「新型コロナワクチンについてのQ&A」から“追加接種”についてを抜粋し、基本的な情報や疑問を紹介する。
追加接種で低下した感染予防効果などを高める
ーーなぜ、追加(3回目)接種が必要なのですか。
日本で接種が進められているワクチンは、高い発症予防効果等がある一方、感染予防効果や、高齢者においては重症化予防効果についても、時間の経過に伴い、徐々に低下していくことが示唆されています。このため、感染拡大防止及び重症化予防の観点から、初回(1回目・2回目)接種を完了したすべての方に対して、追加接種の機会を提供することが望ましいとされています。
ーー追加接種には、どのような効果がありますか。
追加接種を行わなかった場合と比較して、感染予防効果や重症化予防効果等を高める効果があります。
ーー追加接種はどのような人が対象になりますか。
感染拡大防止や重症化予防の観点から、初回(1回目・2回目)接種を完了したすべての方に追加接種の機会を提供することが望ましいとされています。現時点では、初回接種が完了した18歳以上のすべての方が、ファイザー社のワクチンを接種できます。
なお、特に追加接種をお勧めする方として、下記に該当する方が挙げられています。
・高齢者、基礎疾患を有する方などの「重症化リスクが高い方」
・重症化リスクが高い方の関係者・介助者(介護従事者など)などの「重症化リスクが高い方との接触が多い方」
・医療従事者などの「職業上の理由などによりウイルス曝露リスクが高い方」
追加接種は2回目完了から原則8ヶ月以上後
ーー追加接種は、2回目の接種からどのくらい間隔をあけたら接種できますか。
予防接種法に基づく追加接種の間隔は、諸外国での状況や、ワクチンの効果の持続期間の知見を踏まえ、2回目の接種完了から原則8ヶ月以上後とされています。
ーー追加接種では、どのワクチンが使用されますか。初回(1回目・2回目)接種とは異なるワクチンを使用(交互接種)しても大丈夫でしょうか。
追加接種に使用するワクチンは、初回接種に用いたワクチンの種類に関わらず、mRNAワクチン(ファイザー社のワクチンまたは武田/モデルナ社のワクチン)を用いることが適当であるとされています。
日本では現在、ファイザー社のワクチンのみが、追加接種に係る薬事承認がなされていることを踏まえ、当面の間は、ファイザー社のワクチンを追加接種で使用することとされました。一方、武田/モデルナ社のワクチンの追加接種については、現在、薬事承認審査中です。
ーー追加接種ではどのような副反応がありますか。2回目より重いのでしょうか。
ファイザー社のワクチンの場合、2回目の接種後と比較して有害事象の発現傾向は概ね同様であると確認されています。リンパ節の腫れについては、初回(1回目・2回目)接種時と比較して、発現割合が高い傾向にありますが、ほとんどの場合が軽度であり、発現後短期間で治まっています。
ーー海外ではどのくらい追加接種が行われているのでしょうか。
海外では、2021年7月にイスラエルで追加接種が開始されているほか、同年8月以降には、米国や英国等、複数の国で追加接種が行われています。
現時点では、追加接種の対象者として、高齢者等の重症化リスクの高い方、重症化リスクの高い方と接触の多い方、ウイルス曝露のリスクが高い方、としている国や機関が多いですが、対象者は継続して拡大しており、今後、さらに範囲が拡大することも予測されています。また、12歳以上全員を対象としている国もあります。
追加接種用の接種券などは居住する市区町村から送付
ーー追加接種はどのようにしたら受けられますか。
2回目の接種完了から原則8ヶ月以上後に接種できるよう、お住まいの市区町村から追加接種用の接種券等が送付されます。自治体からのお知らせをご確認いただき、初回接種時と同様、接種を実施している医療機関や会場をお探しの上、予約をお願いします。
接種時には、初回接種時と同様、送付された接種券等一式と本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証等)をお持ちになり、受付で提示してください。初回接種時の接種券は使用できませんので、まだお手元に残っている場合は、間違えてお持ちにならないようご注意ください。
なお、2回目の接種完了から8か月以上経過したにも関わらず、ご自宅に接種券が届かない場合は、お住まいの市区町村へお問い合わせください。また、引っ越し等で住民票所在地が変更になった場合等は、接種券の発行申請が必要になります。
ーー追加接種はどのような順番で行われますか。優先すべき対象者はいますか。
2回目の接種完了から原則8ヶ月以上経過した後、順次、3回目の接種を受けることができます。なお、重症化リスクが高い方や、重症化リスクが高い方との接触が多い方、職業上の理由などによりウイルス曝露リスクが高い方は、特に接種をお勧めしています。
ーー追加接種は無料で受けられますか。
初回接種と同様、追加接種においても、全額公費で実施するため、無料で接種いただけます。接種が受けられる期間は令和4(2022)年9月30日までです。
ーー初回接種を海外で受けました。日本で追加接種は受けられますか。
日本で薬事承認され、予防接種法に基づき初回接種が進められているワクチンは、ファイザー社、武田/モデルナ社、及びアストラゼネカ社のワクチンです。海外において、これらのワクチンを初回接種として受けた場合、日本で追加接種を受けることは可能です。
一方、上記以外のワクチン接種は、日本における初回接種とみなすことができないため、初回接種で上記以外のワクチンを受けた方は、追加接種を受けることはできません。
2回目完了後に引っ越した場合は申請が必要
ーー2回目の接種後に引っ越しをしました。接種券は現在住んでいる自治体から送付されますか。
2回目の接種完了後、他の自治体へ引っ越す等、住民票所在地が変更となった場合、追加接種用の接種券は送付されません。申請が必要になりますので、お住まいの市区町村にお問い合わせいただくか、コロナワクチンナビで追加接種用接種券の発行申請を行ってください。なお、コロナワクチンナビでの申請を受け付けていない市区町村もあります。
(注 コロナワクチンナビでの追加接種用接種券発行申請ページは、近日中に公開予定です。)
なお、ファイザー社、武田/モデルナ社又はアストラゼネカ社のワクチンの2回目接種完了から8ヶ月以上経過しても、接種券がお住まいの自治体から送付されないケースとしては、下記が想定されます。
・2回接種後、他の市区町村へ引っ越す等、住民票所在地が変更となった場合
・海外在留邦人の方で、成田空港又は羽田空港にて2回接種を受けた場合
・在日米軍従業員接種で2回接種を受けた場合
・製薬メーカーの臨床試験(治験)等において2回接種を受けた場合
・海外で2回接種を受けた場合 等
ーー現在17歳です。18歳の誕生日がきたら、追加接種は受けられますか。
現時点では、追加接種は18歳以上を対象に実施することとなっています。2回目の接種完了から8ヶ月以上経過しても、18歳になるまでは追加接種は受けられません。18歳の誕生日がきたら受けられます。
ーー初回接種がまだ受けられていません。追加接種が開始されても、初回接種を受けることはできますか。
接種が受けられる期間は、現在、令和3(2021)年2月17日から令和4(2022)年9月30日までとなっています。この期間内であれば、初回接種も受けることは可能です。
※厚生労働省のワクチンQ&Aは2021年11月24日現在の内容から抜粋。
追加接種で低下した感染予防効果や重症化予防効果等を高める効果があることが報告されている。新型コロナを収束させるためにも、こうした情報を参考にして3回目の接種を検討してほしい。
・厚生労働省の新型コロナワクチンについてのQ&Aはこちら