生涯をかけて取り組む活動への思い

3月18日は、岡山市に、世界で初めて点字ブロックが設置された記念日だ。
3月に実施される記念イベントで、ある思いを届けようと準備を進めている全盲の男性がいる。
男性の思いとは…

岡山市中区原尾島は、点字ブロック発祥の地だ。

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今から54年前、目の不自由な人が危険にさらされながら歩く様子を見て、岡山市の発明家が点字ブロックを開発し、設置した。

県立岡山盲学校の元教頭、竹内昌彦さんは、11年前、この場所に記念碑を建て、点字ブロックを守る活動を続けてきた。

点字ブロックを守る会 竹内昌彦代表:
果たしてできるかな?と思ったが、2年連続で中止は残念だから、たとえ少し縮小しても是非やろうと

新型コロナの影響で1年遅れとなった、「点字ブロックの日」制定10周年のイベントに向けて準備が進んでいる。

幼い頃に病気で視力を失った竹内さんは、モンゴルや中央アジアのキルギスに盲学校や職業訓練施設を建設してきた。

点字ブロックを守る会 竹内昌彦代表:
みんな目は治りませんという言葉しか聞かなかった。目が治るという言葉は衝撃だった

盲学校を訪れた子供の中に、お金さえあれば治療が出来る子供がいることを知った竹内さんは、途上国で手術費用を支援する活動を始めた。

治療して治る目なら直してあげたい。

日本円では3万円から5万円で受けられる手術だ。

ピピちゃんの祖母:
自分たちは貧乏で、こんなチャンスはない。孫の目が見えるようになるなんて…とてもうれしい

包帯外すピピちゃん(当時8歳):
こわいよーこわいよー

医師:
目を開けてごらん、見えるかな

ピピちゃん:
見える

医師:
これは何本かな

ピピちゃん:
5本

ピピちゃんの祖母:
きょうピピの未来に希望が持てました

ミャンマーやネパール、カンボジア。竹内さんは、度々現地に足を運んだ。

しかし…

点字ブロックを守る会 竹内昌彦代表:
2020年はほとんど何もできませんでした。向こうのスタッフがいるので、お金さえ送れば目の手術をしてもらえる。停滞はしていません

竹内さんの思いを受けて、コロナ禍の中でも途上国の子供たちの手術は続けられていた。3月18日までの5年間で、329人の子供たちの目に光が届けられた。

点字ブロックを守る会 竹内昌彦代表:
キルギスの子供は、こんどは自分たちがお金を出して目の見えない子供を治す側に回りたいと、そこまで言ってくれる。うれしかった

76歳になった竹内さんの目標は、1000人の子供の目を治すこと。

記念イベントは3月28日。この中で竹内さんは、生涯をかけて取り組む活動への思いと、子供たちの喜びの声を伝えることにしている。

(岡山放送)

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