「BTS」に「BLACKPINK」…今、世界を席巻する韓国発のアーティストたち。そんな韓国でトップクラスの芸能事務所「YGエンタテインメント」。その新社屋の取材をMr.サンデーは日本のテレビとして初めて許された。

地上9階、地下5階。巨大な宇宙船のようなエントランスに、最先端のレコーディング機材をそろえたスタジオが7つ、無数のダンススタジオ。そして、壁から座席がせり出してくるコンサートホールも備えている。

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トップ事務所が今最も推す新鋭・TREASURE

そんなYGエンタテインメントが今、最も推しているのが、12人組グループの「TREASURE」だ。

2020年8月、韓国で発表したデビューシングルは、いきなり世界19の国と地域のiTunesチャートで1位を獲得。

2021年3月末には日本でのデビューも決定し、すでに多くのK-POPファンからの熱い視線を集めている。

しかも、このグループが日本で注目されるのには理由があった。12人の中に日本出身のメンバーが4人もいるのだ。

なぜ J-POPではなく韓国を目指したのか

兵庫県出身 ヨシ(20) :
小学生の頃、お姉ちゃんがBIGBANG先輩のコンサートに連れて行ってくれて、僕もかっこ良くステージに立ちたいなと思いまして。絶対、意地でも頑張って入って夢を叶えたいと思ったのがきっかけで、韓国に行く道を選んだと思います。

物心ついた時から家族と観ていたK-POPは、一番身近な音楽だったという。中でも…

福岡県出身 ハルト(16):
勢いで(韓国に)行ったのを覚えていますね。自分がどこまで通用できるか一回試してみようと思って行ったのを覚えています。

ハルトがYGのオーディションに挑戦し、合格したのは12歳の時。故郷の福岡から単身、韓国での寮生活へと旅立った。

その前夜、食卓に並んだのはミートソース。何かあった時にはいつも母が作って食べさせてくれた思い出の味。母は涙を流しながら送り出してくれたという。

しかし、彼らの本当の苦労はここからだった…。

「夢は12人で世界一をとること」

世界中からK-POPのアイドルになることを目指してYGエンタテインメントにやってくるのは、月に約1万人。

そんな中から選ばれ練習生になれたとしても、“いつデビューする”と目標を設定するわけではなく、本人たちが成長できるまで、ひたすらトレーニングを続けるしかないのが現実だ。長いと7~8年かかることも。それに疲れて諦める子もいる。さらに、デビューをかけた事務所主催のオーディションにも勝ち残る必要があった。

TREASUREのメンバーが選ばれたオーディションは、29人の練習生の中から12人が選ばれるという過酷なもの。しかも、そこには無情なドラマも用意されていた。

ともに努力してきた仲間とコンビを組んで課題に挑むが、どちらかは必ず脱落させられる―─

自分は脱落したくない、でも相棒が脱落するのも辛い…。葛藤する様子までもが撮影され、配信されるのだ。こうした演出が視聴者を引きつけ、YouTubeで配信されたオーディション動画の全世界の総再生回数は実に1億7000万回超え。

苦楽を共にした仲間でもライバルになり、勝ち残らなければいけない。情け容赦ない戦いを勝ち残った真のサバイバーだけがつかめるデビューの切符。もちろん、デビューしたからと言って一切、気は抜けない。

寮での食事の際も…

スタッフ:
(ご飯の量が)少ないんじゃない?

三重県出身 マシホ(19) :
ちょっと僕、いま減量中なんですよ。

大阪府出身 アサヒ(19):
いっぱい食べ過ぎて、次の日の撮影とかに支障が出ると嫌なので。

一体、何が彼らをそこまでK-POPに駆り立てるのか?

福岡県出身 ハルト(16):
“覚悟”っていうのはめちゃめちゃ大事なんだなって思いましたね。最終的な夢は、12人で世界一をとることです。

今、誰にも負けないのは“世界で戦う覚悟”だというメンバー達。そんな意識のありようこそが、K-POPが世界を獲り続ける理由なのかもしれない。

(「Mr.サンデー」3月14日放送分より)