コロナ禍が1年を超えて長期化する中、花の消費量の大幅な減少が深刻化している。従来なら花束やスタンド花などが多用される成人式などのイベント、また結婚式等の中止や延期により、業務用を中心に花の需要が激減し価格も下がっているのだ。そのため花を栽培する花き農家は困窮に直面している。そこで農林水産省は「花いっぱいプロジェクト」を立ち上げ、新しい生活様式の中で花を活用してもらい、需要を喚起しようと取り組んでいる。

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例年の2割減!コロナ禍で花の消費が激減

コロナ禍における「花」の現状について、宮内秀樹農水副大臣に話を聞いた。胸に赤い花のコサージュを着けた宮内副大臣は、次のように生花をめぐる厳しい状況を語った。

「特に1月2月の緊急事態宣言においては、例年の2割くらい消費が落ち込んで非常に深刻な状況。3月になり彼岸ということで少しだけ上向き基調だが厳しい。『お花で毎日の生活を明るくしましょう』ということを一生懸命PRしたい」

苦境の背景の1つとして農水省関係者は、花の大口需要が見込まれる大規模な葬儀が減っていることを挙げている。伝統的に葬儀の場では大型の祭壇に花が供えられたり、献花が行われたりするが、近年は小規模な家族葬が増え、花の需要が見込まれなくなっている。そこにコロナが追い打ちをかけ大規模な葬儀の減少傾向に拍車がかかり、生産者は苦境に立たされているのだという。

今こそ「花飾り」農水省の取り組みは

新型コロナの影響が広がりつつあった2020年3月、農水省は「花いっぱいプロジェクト」を立ち上げた。「花飾り」「花贈り」の需要喚起のため、業界団体と連携しネット上でPRを行ったほか、駅や観光地などの公共空間で花を飾る場合に補助金を出すなどした。

「花いっぱいプロジェクト2021」ホームページより

今年も、1月から緊急事態宣言が発令される中で「花いっぱいプロジェクト2021」と称して取り組みが継続されていて、改めて「花の活用」を呼びかけているところだ。業界団体や生産地と連携したPRを行うほか、今後は業界外からも花の活用をSNS等で発信する「応援隊」を募ることにしている。

農水省においても、玄関や会見室など人目に触れる場所を花で飾ったり、宮内副大臣のようにコサージュを着用して国会答弁を行ったりして、「花飾り」を懸命にアピールしている。

とりわけコサージュを着けている国会議員は見慣れないため、宮内副大臣は会議の時などに「あれ、どうしたの」と言われるそうだが、その機会を捉えて生花をめぐる状況説明しているということで、「花買ってくださいと一日何人もの方にPRしている。効果があると思う」と強調している。

ホワイトデーに「花」を!新しい生活様式に花を

そして宮内副大臣は、「新しい生活様式」の普及を踏まえた花の活用を呼びかけている。

「コロナ禍の中で自宅にいる時間が長く、少し気分も暗くなりがちなところがあると思うが、花は人の心を和ませたり明るくさせたりする。是非花をご自宅に飾っていただいて、購入していただいたりプレゼントで使っていただきたい。特に男性の方々、ホワイトデーのお返しは花を是非お考え頂きたい。私のお返しは全部花ということにしております(笑)」

1都3県で緊急事態宣言が延長される中で迎える3月14日のホワイトデー。コロナ禍に伴う不安も多い中、部屋に花が一輪飾られるだけで気持ちも和むかもしれない。今年は、男性がチョコレートに花を添えたり、困っている男性に女性が花をリクエストするというのも、困窮している花き農家への一助となりそうだ。

(フジテレビ政治部 山田勇)