「密」を避けるため点灯式を止め 色々な場所から見られる形に

東海3県の冬の風物詩の一つが、国内最大級のスケールの「なばなの里」のイルミネーション。2020年のメイン会場は中央に「大樹」を置いたデザインで、大自然の壮大で幻想的な姿を表現した。

例年会場は混雑するため「密」になりがちだが、2020年は様々な仕掛けで感染対策を徹底。「こんな時だからこそ、イルミネーションで癒されたいという人たち」を出迎えた。

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三重県桑名市長島町「なばなの里」。イルミネーションが点灯するのは午後5時からだが、30分前には人がやってくる。

安心してイルミネーションを楽しんでもらうために、入場の際は、マスクの着用、検温、手の消毒をお客さんに依頼。

また、例年だと毎日点灯式を行っていたが、2020年は「密」を避けるため一箇所に集まる事がなく、色々な場所から点灯が見られる形に変更した。

午後5時、チャペルの鐘が…。点灯を知らせる合図だ。会場のどこにいても、その瞬間に気付けるようにした。

園内はあっと言う間に、きらびやかで幻想的なイルミネーションの世界に。多くの人がスマホで写真を撮り始める。

チャペルの前に広がるのは、国内最大級を誇る「水上イルミネーション 光の大河」。木曽三川の流れを光で表している。2020年は立体的な演出も加わり、水面に水柱が立つように光が現れ、躍動感が生まれた。

男性客A:
すごくきれいですね。特に今日、雪がちらついていて空気が澄んで一段ときれいです

女性客A:
めっちゃきれいで最高です。心がコロナのせいで病んでいたので、ウキウキしています

明るく前向きな気持ちになれるように…今年のテーマは「奇跡の大樹」

全長200メートルの「光のトンネル」では、180度オレンジの光が包み、真冬にもかかわらず温かさすら感じさせる。ここでは皆さん様々なポーズで写真を撮る。

スマホを地面において撮影している人や、タブレットを手に慎重に歩きながら撮影する人も。皆、思い思いに撮影するのが、ここの楽しみ方だ。

ちなみに、この「光のトンネル」で人気なのは、雨の日の撮影だという。地面に落ちた雨が光に反射して、幻想的な雰囲気が増すからだ。

そして「光のトンネル」を抜けると現れるのが、メイン会場。2020年のテーマは「奇跡の大樹」。幅155メートルの巨大なイルミネーションが織りなす世界の中央には、高さ35メートルの大樹が…。

花々が咲き誇る「地上の大樹」に…。

青がまばゆい「海中の大樹」。

そして、動物たちの楽園をイメージした「天空の大樹。神秘的な光の風景が広がり、思わず目を奪われる。

担当者は「新型コロナの影響で辛い1年だっただけに、絶景を見て、明るく前向きな気持ちになれるよう「奇跡の大樹」をテーマにしました」と話す。

人を分散させる様々な仕掛けを実施…「密」を避けつつ圧倒的な迫力の演出

また、例年だと大勢の人が詰めかけ「密」になりがちだが、2020年はある仕掛けがあった。

2020年は、より近くで見られる場所にも観賞エリアを設置。見上げるような形となり、その迫力に思わず圧倒される。

様々な角度や距離に、観賞エリアを設けることで、人が分散。密を避けることにもつなげていた。

女性客B:
気持ちが少しでも和らいだ気がします。来た甲斐があります

女性客C:
2019年は、藤棚より向こう(遠く)だったので近いなって。すごく迫力感じます

密を避けつつ、例年以上の見応えを演出している。他にも、2020年新登場のバラをモチーフにした可愛らしい100メートルの光のトンネルや…。

樹齢100年のオリーブの木と共に輝くのは、青色が美しい「光の海」。

さらに、クリスタルホワイトとパステルブルーに輝くツインツリーも。この時期にぴったりの雰囲気だ。

女性客D:
いつもとは違う雰囲気が楽しめます。癒されますね

女性客E:
今、2年生なんですよ。就職活動の時期で新卒採用中止とかで…。やっぱりイルミネーションって落ち着くじゃないですか。一息つくにはちょうどいいです

男性客B:
コロナがあって外に出にくいとかもあったけど、こういった所にくると元気もらえたりするのでいいですね

東海3県の冬の風物詩「なばなの里」のイルミネーション。そこには、コロナ禍、ひと時の癒しを求めて足を運ぶ人の姿があった。

担当者は「このような時だからこそ、お客様に明るくなれるよう、楽しんでほしい」と話している。

(東海テレビ)

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