イギリスで新型コロナウイルスの変異種が発生

19日夜8時過ぎ、イギリス・ロンドン市内のあるターミナル駅の様子。

首都を離れようとする人々で異例の混雑を見せている。

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混雑の理由は…

イギリス・ジョンソン首相:
従来のコロナウイルスに比べて伝染性が70%高い可能性があります。

ジョンソン首相は「感染力が最大で70%強い」という新型コロナウイルスの変異種による感染が拡大しているとして「20日から外出制限を再び強化する」と発表。

まさにその前日、対象地域外に移動しようとした多くの人が駅に殺到したという。

東京歯科大学・市川総合病院 寺嶋毅教授:
変わってしまうことで怖いところは感染力と毒力と、せっかく作ったワクチンが効かなくなるとか

はたして、コロナの変異種の性質とは?そして、日本に入ってくる可能性は?めざましテレビは外出制限が出た直後のロンドンを現地取材した。

イギリスの街から人が消えた

19日はクリスマス前の買い出しでにぎわっていたロンドンの目抜き通り。

しかし翌日の外出制限初日を迎えた20日。
普段は多くの人で込み合っているロンドンの繁華街メインストリートは、ほとんど人の影が見当たらない。

クリスマス直前の休日にも関わらず、多くの店で、シャッターが下りた状態で人の姿がすっかり消えた。

店頭には一時閉店と書かれた紙が貼られている

ロンドン市民A:
残念だよ。せっかくのクリスマスなのに。でも何ができる…。どうしようもないよね。

ロンドン市民B:
クリスマスがキャンセルになってしまった。でも命を救うためにはキャンセルでも仕方がない。

ロンドン市民C:
とても不安です。どうしていいか分からない。

イギリスの新規感染者数が急増

イギリスの1日あたりの新規感染者数は、2週間前に比べ3倍近い3万5928人に急増。

こうした状況を受け、イギリス政府はロンドンを含む南東部で外出制限を強化。

正当な理由のない外出を控えるよう求めるほか、生活必需品を扱う店以外の営業を禁止するとしている。

そうした中、ひっきりなしに人が出入りしていたのが街角のスーパーマーケット。

買い物客に話を聞くと…

ロンドン市民D:
パニックになってたくさん買い物した。今日買わないと次どうなるかわかりませんから。

ロンドン市民E:
最近は外出を控えているので買い物に行く回数も少なく一度にたくさん買います。

クリスマス期間中に予定されていた緩和措置も、この地域では取りやめになった。

コロナの変異種 約60以上の自治体で1000人を超える症例が確認

イギリス南東部で見つかったという、コロナの変異種。感染力は従来種の最大70%強い可能性が指摘されるなか、これまで約60以上の自治体で合わせて1000人を超える症例が確認されている。

また現地メディアよると、この“変異種”は12月上旬にオランダでも検出。

こうした中、オランダとベルギーはイギリスからのフライトの受け入れを一時禁止し、イタリアも禁止を決定。影響は各国に広がっている。

変異種について専門家に聞いた

変異種が、日本でも感染を広げる可能性について専門家は…

東京歯科大学・市川総合病院 寺嶋毅教授:
日本もいつそういう変異種が蔓延するとも限りませんし、対策が不十分であればいつでもどこまで増えてもおかしくない状況であると思います。

さらに、開発中のワクチンについても…

東京歯科大学・市川総合病院 寺嶋毅教授:
変異して設計図が変わってしまって、せっかくできたワクチンの抗体がつきにくくなるということになると、ワクチンが効きにくくなってしまう可能性があります。

一方、昭和大学の二木教授は…。

昭和大学医学部・二木芳人客員教授:
たちまち即これが大変危険な兆候だというふうには捉えなくていいかもしれません。ウイルスは大体1カ月に2カ所くらいの、小さな変異を起こすというのはよく知られていることですが、ウイルスの変異というのはどこでも起こりうることです。今のところ、感染力は少し強そうだということですけど、毒力に関しては、はっきりとした変化はない、ということになっています。

(「めざましテレビ」12月21日放送分より)