肌寒さが身に染みる冬の朝。温かい飲み物が恋しくなる季節になったが、ホットミルクもその1つだろう。

そんなホットミルクを作る上での、ちょっとした豆知識をJA全農(全国農業協同組合連合会)がTwitterに投稿し、話題になっている。

「牛乳を温めようとしているあなたへ」で始まる投稿には、ホットミルクを作る工程の写真4枚と共に、電子レンジでホットミルクを作る際に“砂糖を入れる”という豆知識が。

そして最後は、Twitter担当者の“長い戦いの歴史”を思わせるメッセージで締めくくられている。

牛乳を温めようとしているあなたへ

お砂糖を入れて混ぜ混ぜしてからレンチンすると膜ができにくいです。

これまで人生ウン十年にわたる膜との格闘の歴史はなんだったのかと呆然としている私より

この豆知識を投稿した、JA全農広報部【公式】日本の食を味わう(@zennoh_food)によると、牛乳を温めると表面に現れる白い膜が、砂糖を入れてから温めることで出にくくなるというのだ。

JA全農広報部は、身近な食に関する豆知識を日頃から投稿しており、過去には編集部でも「炊いたご飯の保存方法」などを紹介してきた。

(参考記事:JA全農が「炊いたごはん冷蔵禁止令」を発出! 保存は“冷凍”がいい理由とおいしい解凍方法を聞いた

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今回の投稿でも「これ良いですね」「さすが全農の神!」といった喜びの声がある一方、「あの膜割と好き」「膜も好きなんですけどね(笑)」「膜美味しいやん」といった、“膜賛成派”の声も多く寄せられ、4万以上のいいねがついている(12月22日時点)。

意外にも“膜賛成派”の存在も判明した投稿となったが、そもそもあの表面に出てくる膜は何なのだろうか? そして、なぜ砂糖を加えることで膜ができにくくなるのだろうか?

JA全農の広報・調査部の担当者に聞いてみた。

膜の正体は、タンパク質などの栄養分

ーーどうして、「牛乳を温めようとしているあなたへ」を投稿しようと思った?

牛乳の膜が気になってホットミルクを敬遠している方にも、ホットミルクを楽しんでいただけたらと思い、投稿しました。


ーーなぜ、砂糖を入れると膜ができにくいの?

あの膜は実は栄養の固まりです。牛乳に含まれているタンパク質などの栄養分でできています。牛乳を加熱することで表面の水分が蒸発してタンパク質を主体とした熱変性がおこり、膜ができます。豆乳を温めると湯葉ができるのと同じ原理で、「ラムスデン現象」と呼びます。

砂糖には、タンパク質が熱により凝固する性質を弱める働きがあります。この性質を利用すると、例えばプリンに加える砂糖の量を調整することで硬さの調整が可能です。


ーー砂糖の種類で変化はあるの?

試してみたことはないのですが、砂糖の種類は問わず効果があると考えられます。

イメージ
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ーーこの豆知識を知った時、どう思った?

もっと早く知りたかった!!と強く思いました。そして牛乳をみなさんにもっと飲んでいただけるよい豆知識だなと感じました。


ーー「人生ウン十年」格闘してきた“宿敵の膜”に対する思いは?

宿敵というか、膜ができてしまうことで牛乳の栄養を全部を飲めていなくて、申し訳ないような気持ちだったのですが、今後はお砂糖のおかげで一緒にとることができうれしいです。


ーー改めて、膜のできないホットミルクを飲んだ感想をどうぞ。

甘くてホッとする味でした。

ホットミルク イメージ
ホットミルク イメージ

JA全農おすすめは“ラッシー”

ーー多くの反響があったが、どう感じている?

多くのいいねやRTをいただいてありがたい限りです。また、「いいことを聞いた」とか「おいしかった」という投稿を拝見したときはうれしかったです。


ーー実は「膜が好き!」という意見に対してはどう思う?

驚きましたが、膜も含めて牛乳のことを好きという方が多いということに感激しました。


ーーおすすめのホットミルクの作り方は?

生姜や蜂蜜を混ぜたり、ミルクで紅茶を煮だしたりと意外とアレンジ豊富です。是非いろんな食べ方を試してみてください。


ーーでは、JA全農がオススメする牛乳の使い方も教えて

以前Twitterで紹介したラッシーはおススメです。また、ミルクスープやミルク煮なども温かくておいしい季節ですので、是非野菜もたっぷり入れて食べていただけたらと思います。

JA全農がオススメする「ラッシー」の作り方は、牛乳:ヨーグルト=1:1に砂糖(蜂蜜でも可)、大さじ1杯、レモン汁小さじ1杯(なくてもOK)を合わせるだけ。また材料の割合は、自分の好みに合わせて調整してOKとのことだ。

このラッシーはアイスだけでなく、ホットでもおいしいんだとか。

ラッシーの作り方
ラッシーの作り方

ーーちなみに、牛乳を保存する際に注意すべきことはある?

できるだけ空気に触れさせないよう、飲み口を開けっ放しにしないこともポイントです。また、開封後は他の食べ物の匂いが移ることもありますので、冷蔵庫に匂いの強い食材を入れない、脱臭炭を置くなどの防臭対策を行うと、最後までおいしく飲んで頂けます。

気になるホットミルクの膜の正体は、牛乳の栄養の固まりだった。今まで気になって捨てていた人は、もったいないことをしていたのかもしれない…
“膜賛成派”でない人は、これからは砂糖を先に入れたホットミルクで体を温めて欲しい。
 

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プライムオンライン編集部
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