夕方に、ヒナツさんと、店をともに営む夫のアベさんがディナーの仕込みを終えると、洗面所の方から「ミャー」という小さな鳴き声が聞こえ、見に行ったところ小さな子猫を発見。
近寄ると警戒して奥に隠れてしまったため、そのまま夜間の営業を開始し、常連客と一緒にとりあえず名前をつけようということになった。
同店では、毎年11月に週替わりで映画を選び、その映画に出てくる料理をアレンジして提供する「映画フェス」という企画を行っており、当時お店で選んだ作品のひとつが『かもめ食堂』だったことから、「かもめ」と名付けることに。
翌日のランチ営業までには捕まえようと、閉店後二人は店に泊まり込んで捕獲を試みるも、かもめくんは警戒して隠れるばかり。
夜中3時を過ぎ、半ばあきらめかけたアベさんは、当時読んでいた村上春樹の著書『ノルウェーの森』の続きを読んで待つことにしたところ、不思議なことが起こる。
読み始めてまもなく、主人公が野良猫に遭遇する場面にさしかかり、なんと「かもめ」と名付けたのだ。
「猫を飼った経験はなかったんですが、名前をつけたすぐあとに、読んでいる小説のなかに同じ名前の猫が出てきたので、運命的な縁を感じて飼うことにしたんです」
こうして店の一員になったかもめくん。最初は人を怖がっていたが、少しずつ慣れ、数週間もすると客さんの膝の上を転々とするようになったという。
成長してからは膝の上には乗らなくなってしまったが、今では常連客がくると近寄っていくことも。ただし、気分が乗らなければ知らん顔でごろごろ…。そんな猫らしいマイペースさも、かもめくんの魅力だ。
おやつタイムには「お手」も披露
夕方に配信がスタートしてから、ディナー営業が始まる前の時間に、ルーティンになっているのがおやつタイム。
そこで披露されるのが「お手」だ。

