過多月経の原因でよく知られているのが子宮筋腫です。
筋腫でなぜ出血量が増えるの?
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性のこぶです。大きさや数、できる場所によって症状はさまざまですが、特に子宮の内側に向かって発育する「粘膜下筋腫」では、経血量が増えやすいことが知られています。
これは、筋腫によって子宮の内側の形がゆがみ、子宮内膜の面積が広がったり、子宮がうまく収縮にくくなったりするためです。さらに、その結果、月経が長引いたり、レバーのような血の塊が出たり、貧血につながったりすることがあります。筋腫があっても症状が軽い人はいますが、過多月経の原因としてはとても代表的です。
子宮内膜ポリープは不妊の原因にも
筋腫と混同されやすいものに、子宮内膜ポリープがあります。どちらも出血の原因になりますが、成り立ちが違います。
子宮筋腫は子宮の筋肉にできるしこりで、子宮そのものの形に影響しやすい病変です。一方の子宮内膜ポリープは、子宮の内側をおおう内膜の一部が盛り上がってできるものです。ポリープは比較的小さくても不正出血や過多月経の原因になることがあり、場所によっては受精卵の着床に影響することもあります。
また、見た目だけでは子宮内膜ポリープか粘膜下筋腫か区別がつきにくいこともあるため、正確な診断には画像検査や必要に応じた組織の確認が大切です。ポリープは筋腫のような筋肉のこぶではなく、内膜側の盛り上がりであるという点が大きな違いです。
ポリープ自体は基本的には良性ですが、検査で確認した後も定期的な検診が大切です。
生理に変化がある時は検査を
このように、生理が重い人と軽い人の差は、痛みの出やすさと出血量の多さを分けて考えると整理しやすくなります。
痛みは子宮収縮を強める物質や、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が関わります。出血量の多さには、ホルモンの乱れに加え、子宮筋腫やポリープなどの器質的な原因が関係することがあります。
生理のつらさは体質だから仕方ないと受け止められやすいものですが、背景に確認すべき原因があることも少なくありません。
以前より痛みが強くなった、出血量が増えた、貧血っぽい、月経が長引くといった変化があるときは、婦人科を受診して原因を確認することがとても大切です。
松村圭子
成城松村クリニック院長。広島大学医学部卒。日本専門医機構認定産婦人科専門医。月経トラブルや更年期障害といった不調の治療ほか、サプリメントや漢方、各種点滴療法などによるメディカルケアを行う。主な著書に「女性の悩みはFemtechで解決!オトナ女子のためのカラダの教科書」(宝島社)、「これってホルモンのしわざだったのね」(池田書店)など多数。

