全国各地を襲う大雨災害。福井県内では8月末に3市にレベル5大雨特別警報が出され、JAF(日本自動車連盟)福井支部には車の水没に関する救援要請が通常の約3倍となる211件(速報値)寄せられた。「これくらいなら大丈夫」と進むと、車を水没させるだけでなく命を落とす危険性もある。引き返すべき判断基準をJAFの担当者に聞いた。
深夜に大雨…自宅の駐車場で冠水する被害が続出
8月末の福井の大雨は、深夜の時間帯に雨脚が強まった。JAF福井支部の担当者は「夜間から明け方にかけての大雨だったため、自宅の駐車場で車が浸水してしまう事例が多くあった」と語る。
就寝中に水位が急上昇し、翌朝になって初めて被害を確認するケースが相次いだという。
異変に気付いても、深夜だっため車を安全な場所に移動させることも難しいという、日中の大雨とは異なる、夜間特有のリスクも浮き彫りになった。
では、実際に大雨が予想されるとき、どの時点で判断を下せばよいのか。
JAFが行った冠水路の走行テストによると、水深30センチでも速度によっては水を巻き込み、走行に支障が出る危険があることが確認されている。
水深30センチは、コンパクトカーでいえばタイヤのほぼ半分の高さに相当するが、運転中は水深を正確に測ることはできない。
そこで一つの判断基準として挙げられるのが、前方の車のマフラーの位置だという。
「前の車のマフラーが隠れそうなぐらいの水があれば、30センチぐらいの目安になる」とJAFの担当者。車種によってマフラーの位置は異なるため、あくまで参考の一つとして活用したい。
水深15センチでもリスクあり 縁石が一つの判断目安
しかし重要なのは、水深30センチに達する前、15センチ前後での判断だ。JAFの担当者は「水深15センチほどになると、走行する上でさまざまなリスクが出てくる」と警告する。
横断歩道や路面表示が見えにくくなるほか、マンホールのふたが開いていても気付けない危険があるというのだ。
一般的な歩道の縁石の高さが約15センチあるため、水が歩道を越えるようであれば、引き返す決断をすることが重要だ。
そして最も警戒すべき場所がアンダーパス。全国では大雨の際、冠水したアンダーパスに進入して運転手が溺死する事故が複数発生している。
事前に生活圏内のアンダーパスの位置を把握し、う回路を決めておくことが命を守ることにつながる。アンダーパスの場所はハザードマップで確認でき、地図上の特定のマークで示されている。
福井市では最大3700台分の立体駐車場を開放
車の避難先を事前に決めておくことも重要だ。福井市では市内の民間施設と災害時の協定を締結し、大雨の際には市内のショッピングセンターなど最大7カ所の立体駐車場で計3700台分を避難先として開放することになっている。
こうした避難場所や近くの高台を日頃から確認し、早めに車を移動させることが被害を最小限に抑える鍵となる。

大切な財産、そして命を守るために、早めの判断、雨脚が強まる前の備えが不可欠です。

