まさかの“くじ引き”決着となった福岡県議会議長選挙。蔵内勇夫氏の後任となった新議長に早速、”告発議員”から抗議文が提出された。異例ずくめの船出となった新議長のもと、県議会は生まれ変われることができるのか。
“金銭授受疑惑”告発県議が抗議文提出
9月10日午前11時。福岡県議会議会棟に姿を見せたのは、正副議長を巡る金銭授受疑惑を告発した吉松源昭県議(58)。
吉松県議が強く抗議したのは8月17日、吉松県議が提出した蔵内勇夫前議長への辞職勧告決議案が採決中止となった自民党県議による緊急動議だ。

吉松県議は「副議長が賛成者に対し、起立を求めてから『賛成多数』と決するまで約9秒、最後の起立者が立ち上がってからは僅か4秒。一瞬で判断することは困難な状況だったにもかかわらず、極めて短い時間で多数と認められたこと、その後、起立者の人数も名前も公表されていないことは、議会の透明化という観点で望ましくありません」と述べた。

また吉松県議は、動議の提出にも密接に関わっているとして、蔵内前議長を参考人として議会に招致することや今後は賛成と反対の人数、及び氏名を公表することなどを求めた。

抗議文の提出先は、大島道人新議長(74)だ。

67年ぶりという“くじ引き”決着
議長選挙から一夜が明け、県議会には早速、大島新議長の写真パネルが掲げられている。
9月9日の9月議会初日に行われた蔵内前議長の辞職に伴う議長選挙。

自民の大島・県議と公明の新開昌彦・県議(69)が、ともに39票で並んだ。

まさかの同数に議会は一時中断。その決着方法は、地方自治法に基づき、くじ引きとなった。

その結果、大島議員が当選人と決定した。福岡県議会の議長選では、実に67年ぶりというくじ引きを経て、自民党が辛くも議長ポストを死守するかたちとなったのだ。

『県民の声ふくおか』の原田博史・代表(60)は「一応、ルールは知ってたんですけど…、とはいえ本当にルールだけで…、ルール…、まぁルールに従うしかないですよね」と釈然としない表情を浮かべたものの「『もう1回、新たな福岡県議会に向けて進めていきたい』という思いは、どなたが議長になっても変わらない」と述べた。

また『自民党県議団』の渡辺勝将・会長(49)は、これまでと違う他会派の動きに「これが多分、本当の意味での議会の民主主義が動き始めたんだと思います」と述べた。

要職に就いた経験のない74歳新議長
県議会の正常化へ重要な舵取りを担うのは、田川郡選出の現在4期目、大島道人・県議。

これまで会派の政策審議会長や議会運営委員長など、議長ポストの登竜門ともされる要職に就いたことはない。

大島新議長も「蔵内前議長みたいな経験もないですね、私は。本当にイチからのスタートになっております。皆さん方が温かく私を見守って頂いて、育てて頂ければ、きっと福岡は良くなっていく」と述べた。

そんな大島新議長は、議会改革に向けて6つの約束を訴えていて、その第一に、金銭授受疑惑の解明を掲げている。

「今後、第三者委員会において客観的に調査して頂くことが重要です。調査に全面的に協力するとともに調査結果を真摯に受け止め、必要な再発防止策や制度の見直しに繋げて参ります」と述べた大島新議長。

仮に第三者委員会で、金銭授受の事実があったと結果が出た場合は?という記者からの質問に「…あったという想定はまだしておりませんので、流れを慎重に見ていきながら委員会の皆さんの意見を聞いて、今後の進め方にしたいと思います」と述べるにとどまった。
(テレビ西日本)

