“痩せる薬”としてSNSなどで話題になっている「マンジャロ」。本来は糖尿病の治療薬だが、ダイエット・美容を目的に自由診療で使用し副作用に悩まされるケースが増えていて、国や医師は警鐘を鳴らしている。
「SNSでも流行っていたので…」
糖尿病の治療薬「マンジャロ」を自由診療で使用したある女性は次のように話す。

飲食店勤務 20代の女性:
友達からと、SNSでも流行っていたので(マンジャロを)やってみようかなと

糖尿病の治療薬「マンジャロ」。
いま、“痩せ薬”として美容目的に使う人が増えている。
「本来の目的以外での使用に警鐘」
厚生労働省の上野賢一郎大臣は、「本来の目的以外で使用した場合、思わぬ健康被害が生じる可能性がある」と述べ、医療機関に適正な使用を要請した。

佐賀県医療センター好生館 糖尿病代謝内科 吉村達 部長:
本当にその薬(マンジャロ)を使うような身体の状態かを考えた上で治療を選んでいただきたい

本来の目的以外でのマンジャロの使用について医師も警鐘を鳴らしている。
“食欲を抑える”のが大きな特徴
血糖値を下げるだけではなく“食欲を抑える”のが大きな特徴のマンジャロ。2型糖尿病の治療薬として2022年に認可された。

佐賀県医療センター好生館、糖尿病代謝内科の吉村達部長は、糖尿病の治療薬として「適正に使用すると非常に効果のある薬」だという。

この医療機関では、直近の1年間で糖尿病の入院患者約50人にマンジャロを処方した。
広がる“痩せ薬”としての使用
一方、このマンジャロを無許可で販売したなどとして、大阪府警は6月2日、薬機法違反の疑いで20代から30代の男女3人を書類送検した。

背景にあるのは、SNSや広告で広がる“痩せ薬”としての使用だ。
飲食店勤務 20代の女性:
(夏に)水着着たりするときに一時的に痩せたいなと思って“楽に痩せられる”と聞いていたので使ってみた

ダイエットを目的にマンジャロを使用する女性もいる。その結果、想像以上の副作用に驚き、恐怖を抱くケースもあるという。
強い副作用も…「何も食べられない」
飲食店勤務 20代の女性:
初めの1週間で5キロ痩せたのでびっくりした。怖かった。私は副作用が強めだったので、1週間むかむかした。何も食べられなくて痩せた

オンラインでの自由診療で、「マンジャロ」1カ月分を約3万円で購入した女性は、わずか1カ月で8キロも痩せたが、薬をやめると体重はほぼ戻ってしまったという。
飲食店勤務 20代の女性:
結局、マンジャロを使ってもリバウンドは絶対する。高いお金を出して買ってリバウンドするなら意味がない
副作用のリスクに注意し最適な治療を
医療現場では日々、食事なども含めた最適な糖尿病治療の検討が続いている。
佐賀県医療センター好生館 糖尿病代謝内科 吉村達 部長:
ずっとしばらく過食も続いていた人。もし食欲抑制の効果も狙うなら(マンジャロの)適用かなと

管理栄養士:
基本的な食事を三食正しく食べてもらう。間食はしないというのを取り組んでいただいた方がいい

糖尿病治療薬の最前線ともいえるマンジャロ。
一方、嘔吐や筋力低下、急性膵炎といった副作用のリスクもあり、医師も注意を呼びかけている。

佐賀県医療センター好生館 糖尿病代謝内科 吉村達 部長:
(保険)適用を満たす人にはぜひ使っていただきたい。(糖尿病でも)肥満症でもなくて、ただ痩せたいという気持ちだけで(マンジャロを)使用するのは、いかがなものかと

医師が医学的な判断で「自由診療」としてマンジャロを処方すること自体は直ちに違法ではない。ただ、厚労省は「ダイエットなどの効果は証明されていない」としている。
そもそも糖尿病の薬ということ、そして副作用のリスクが非常に大きいことを認識しておく必要がある。

