一般的には海で育てられるノリを陸上で養殖する研究が福岡で進められている。その陸上養殖とは?
気候変動により安定した生産困難に
9月15日、福岡市の九州大学で開かれた記者会見。研究グループが発表したのは、日本の食卓に欠かせないノリを陸上で養殖した研究成果。
対象となったノリは、スサビノリ。紅藻の一種だ。
民間企業として参加している『大新』の中村智・代表取締役は「ノリの陸上養殖をさらに大きな可能性へと育てていきたいと思っています」と抱負を述べた。

ノリは主に海で養殖されるが、近年は温暖化が原因とされる気候変動により海水温の上昇や海洋環境の変化などで、安定した生産が難しくなっているという。

研究グループは、2022年に気候変動などの影響を受けにくい陸上に養殖施設を設置し、2026年に入って初めてノリの栽培に成功した。

安全で安心なノリの生産目指す
実際に施設でとれたスサビノリを加工した製品は、見た目もノリそのもの。触った感じは、滑らかできめ細かい。そして何より磯の香りがする。

研究チームのシャハ・ビデユット・バラン九州大学教授は「陸上で養殖するので、温度の管理ができれば1年中、ノリをとることが可能になります」と陸上養殖だからこそのメリットを語る。

養殖に最適な水温は16℃前後だといわれ、現在はより細かく温度などを管理できる屋内の養殖設備も開発している。

「ノリ職人も平均年齢80歳くらい。どんどんノリ職人が減っているので、この辺で、陸上で貢献できる可能性が結構あるんじゃないかと考えている。安全安心なノリができれば一番嬉しい」(シャハ・ビデユット・バラン九州大学教授)。
将来的な実用化に向けてはまだまだ課題も多いということだが、今後も研究を重ね、設備の改良なども進めたいとしている。
(テレビ西日本)

