佐賀県警のDNA型鑑定不正が判明してから1年が過ぎた。県警は警察庁の特別監察への対応などを理由に413件に上る鑑定を9カ月にわたり他の県警に依頼。科捜研が一時機能不全となっていたことが明らかになった。
県警公表とは別に110件の不正
この問題は、佐賀県警の科学捜査研究所に勤務していた職員が2016年から8年間にわたりDNA型鑑定で不正を行っていたものだ。

これを受け警察庁は去年10月から約8カ月にわたり原因などを分析するため佐賀県警の特別監察を行った。

その結果、佐賀県警が公表したものとは別に110件の不正があったことが判明した。
他県に9カ月、413件の鑑定を依頼
またDNA型鑑定の不正のしわ寄せが他の県警に及んでいたことが明らかになった。
問題の発覚後、佐賀県警は約9カ月にわたりDNA型鑑定を他の県警へ依頼したことが分かったのだ。

依頼先は九州内の県警で、福岡県警に255件、長崎県警に79件、熊本県警に79件、合計413件に上る。

佐賀県警は鑑定を依頼した理由について「特別監察に対応しつつ捜査に支障を生じさせないため」としている。
特別監察を第三者的立場の調査と評価
一方、就任後、初めて県議会の一般質問に臨んだ県警の貝沼本部長は、科捜研で不正なDNA型鑑定が行われた問題を受け警察庁が行った特別監察について次のように述べた。

佐賀県警察本部・貝沼諭本部長:
(特別監察は)専門性、客観性、透明性に配慮して実施され、本件事案についても極めて精緻かつ徹底した厳正な事実確認がなされたものである。県警察とは異なる、いわゆる第三者的な立場により徹底した調査がなされたものと評価できる

しかし、県警の科捜研の不正なDNA型鑑定をめぐっては、過去の裁判で有罪判決を受けた男性の弁護団が裁判のやり直しを求める申し立てを行っていて、DNA型鑑定への信頼が揺らいでいるのは深刻な問題だ。
佐賀県弁護士会は「内部調査の限界」を指摘し、第三者機関による調査を求めている。

