9月は防災月間。全国各地で豪雨災害が相次ぐ中、被災地の復旧・復興を支える「災害ボランティア」の存在が改めて注目を集めている。災害時にはどのような活動が行われているのか。参加するために必要な備えとは何か。支援する側の視点から災害ボランティアの役割を見つめる。
被災地の暮らし支える災害ボランティア
災害が発生すると、各地の災害ボランティアセンターには被災者から様々な支援要請が寄せられる。
秋田市の日本赤十字東北看護大学介護福祉短期大学部の及川真一さんによると、災害ボランティアは大きく「一般ボランティア」と「専門ボランティア」の2種類に分けられる。

一般ボランティアが担うのは、被災住宅の清掃や泥出し、家財道具の搬出、屋内外の片付けなどの作業。
一方、専門ボランティアは避難所の衛生管理や炊き出し、重機を使った復旧作業などを担う。
浸水した住宅の床下作業や流木の伐採など、専門的な知識や技術が必要な活動は技術系ボランティアが担当する。
及川さんは「全国各地で災害が同時期に多発していて、災害ボランティアセンターが立ち上がっている。センターでは住民の方々の困り事を解決するため、丁寧に迅速に動いている」と話す。
豪雨災害の現場で求められた支援
2023年7月の豪雨災害では、秋田市など県内各地が大きな被害を受けた。
この時、災害ボランティアの受け付けが始まったのは雨が降り始めてから5日後だった。
及川さんも現場で活動し、災害ボランティアセンターの運営に携わった。
「災害ボランティアの受け付け業務や、自宅を一軒一軒訪問してニーズを確認する活動を行った。ニーズを確認した後は仕分けをして、翌日のボランティアの方々が動きやすいような流れを作った。実際に家財道具を出したり、泥出しをしたりという活動も行った」と振り返る。
災害ボランティアの役割は、現場で体を動かすことだけではない。被災者の困り事を把握し、必要な支援へつなげる調整役としての役割も担う。
「経験がない人でも参加できる」
ボランティアの受け入れ窓口となるのは、各市町村の社会福祉協議会が運営する災害ボランティアセンターだ。
「経験がない自分が現場に行っても迷惑になるのではないか」と参加をためらう人も少なくない。
しかし及川さんは、未経験者でも活動しやすい仕組みが整えられていると話す。
「災害ボランティアというと、『経験していない人が現場に行くと迷惑になるのではないか』と思われる人が多いと思うが、実際に災害ボランティアセンターは、そういった人たちが活動しやすいようにサポートしている。時間とタイミングが合い、自分にやれることを現場でという人は足を運んでほしい」と呼びかける。
被災地では専門技術を持つ人だけでなく、多くの人手が必要とされている。
事前登録で迅速な支援へ
秋田県災害福祉支援センターは、災害時にボランティアを速やかに派遣できるよう、2025年から事前登録システムを運用している。

災害発生後に募集を始めると活動開始まで時間を要する場合があるが、事前登録者には活動内容などを記したメールが届き、参加予約ができる仕組みだ。
主な活動内容は家財の片付けや泥出し、屋内清掃など。ホームページから登録できる。
2026年9月4日時点の登録者数は602人で、このうち55%が県内、45%が県外からの登録となっている。
及川さんは「事前登録だけではなく、事前に『災害ボランティアとは何をするか』などの研修会もやっているので、興味のある人はぜひ調べてほしい」と話す。
被災地を思うことも支援の一歩
災害ボランティアというと、泥出しや片付けといった力仕事を思い浮かべる人が多い。
しかし及川さんは「もちろん力仕事のニーズはあるが、募金活動なども含めてボランティアだと思っている」と語る。
現地に足を運ばなくても、募金や物資支援、被災地の状況に関心を持ち続けることなど、支援の形は様々だ。
いつ自分が被災者になるか分からない時代だからこそ、支援を受ける側だけでなく、支援する側として何ができるのかを考えることも大切な備えとなる。
防災月間の今、災害ボランティアという選択肢に目を向けることが、次の災害への備えにつながる。
(秋田テレビ)

