高知県土佐清水市の「足摺海底館」。施設の老朽化により休館が続いていたが、再開されないまま、その歴史に幕を下ろす見通しとなった。
650万人以上が魅了された海中の世界
足摺宇和海国立公園に位置する足摺海底館は1972年にオープン。海中散歩が楽しめる中四国地方で唯一の「海中展望塔」として親しまれ、これまでに約650万人以上が訪れた。
オープン当初の写真を振り返ると、当時の熱狂ぶりがうかがえる。
連絡橋の手前にまで長蛇の列ができ、わずか2日間で約1万人が詰めかけた。
老朽化と苦渋の決断
一方で開館から半世紀以上たち、施設は老朽化。足摺海底館を運営する県観光開発公社が2024年、陸地と展望室とを結ぶ連絡橋の強度を調べたところ「橋の架け替えが望ましい」という結果が出たという。
2028年には大河ドラマ「ジョン万」の放送が決定しており、今後多くの来館者が見込まれたため、公社は安全性を精査するため5月1日から休館。対応を協議してきた。
だが、本体施設の改修と連絡橋の架け替えには約5億円もの費用が必要となる。仮に資金を調達できたとしても、将来的な回収は困難であるとの判断が下され、再開を断念。
地元からは存続を望む声が上がっていた。しかし、大河ドラマ「ジョン万」による誘客効果も一時的なものにとどまる可能性があり、事業継続の見通しがつきづらかったそうだ。
9月18日に予定されている臨時株主総会を経て、9月いっぱいでの営業終了が正式に決定する見通しだ。
