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「死んでいたかもしれない」消えない恐怖 猟銃によるサル対策の現場付近で発生した事故から1カ月 秋田・八峰町が直面する鳥獣被害対策と住民の安全確保の難題|FNNプライムオンライン
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「死んでいたかもしれない」消えない恐怖 猟銃によるサル対策の現場付近で発生した事故から1カ月 秋田・八峰町が直面する鳥獣被害対策と住民の安全確保の難題

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秋田・八峰町で7月、走行中の軽トラックの窓ガラスが突然割れ、運転していた女性がけがをした事故から1カ月が過ぎた。現場周辺では猟銃を使ったサルの追い払いが行われていたが、事故との因果関係は明らかになっていない。一方、地域では長年、ニホンザルによる農作物被害に悩まされている。被害対策に欠かせない取り組みと住民の安全をどう両立させるのか。地域が難しい課題に向き合っている。

「死んでいたかも…」消えない恐怖

「もしかしたら死んでいたかもしれない、という恐怖感。体の力が抜けるような感覚を今でもはっきり覚えている。恐怖心はずっとこれからも残っていくのではないかなと思っている」

軽トラックを運転中に事故に遭った青森・深浦町に住む女性
軽トラックを運転中に事故に遭った青森・深浦町に住む女性
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青森・深浦町に住む60代の女性は、事故当時をこう振り返る。

女性は7月23日、八峰町八森の国道101号を軽トラックで走行中、突然窓ガラスが割れ、左耳にけがをした。当初は何が起きたのか分からず、バックミラーに映る血を見て初めてけがに気付いたという。

運転席側のヘッドレスト中央付近に残る何かが貫通した穴
運転席側のヘッドレスト中央付近に残る何かが貫通した穴

車のフロントガラスやヘッドレストには何かが貫通したような跡が残り、車内からは銃弾のようなものも見つかった。

「よくこれで頭などに当たらなかったなと思う。奇跡的に助かったのかな」と話す女性。命に関わる事態だったかもしれないという思いが、今も女性の胸に残る。

事故後も続く心身への影響

事故から1カ月。傷は目立たなくなったが、耳鳴りなどの違和感や精神的な負担は続いている。

女性は「音が耳にスムーズに入ってこないというか、人との会話がおっくうになるというか」と話す。

さらに、「当時の、ガラスがいきなりガシャンと割れた音が気になって、茶碗を洗っている音もすごく耳に響く」と打ち明ける。

現場付近の道路も以前と同じ気持ちでは通れない。

事故現場付近の国道101号(撮影:7月23日)
事故現場付近の国道101号(撮影:7月23日)

「あの道路を通るとき、気持ちも思い出すので行きたくないけれど、用事があれば通らなければいけないし…」

事故は女性の日常に大きな影を落としている。

因果関係は不明 やり場のない思い

事故当時、現場周辺では町の猟友会が猟銃を使ったサルの追い払いを行っていた。

警察が捜査を続けているものの、事故との因果関係は現在も分かっていない。

女性は「怒りをどこにぶつけたらいいか本当に分からない。毎日のように同じような話を家族で話し合っている。この後ずっと、この思いがいつまで続くのかなという感じ」と心境を語る。

また、事故後に町や猟友会から連絡はなかったという。

町や猟友会から「何か一言ほしかった」と話す被害女性
町や猟友会から「何か一言ほしかった」と話す被害女性

「一度でいいから、何か一言ほしかった。そうしたら今の気持ちが少し落ち着くのではないかと思う。『もしあなたたちの家族が同じような目に遭ったらどうしますか』と聞きたい」

女性は、行き場のない思いを抱え続けている。

こうした中、町は猟友会からの申し出を受け、事故の4日後にあたる7月27日、猟銃によるサルの追い払いを休止した。

長年続くサル被害との闘い

一方で、八峰町ではニホンザルによる農作物被害が深刻な問題となっている。

町は1996年から箱わなによる捕獲を進めてきたが、農作物の被害額が約400万円に達したことを受け、2008年から猟銃による捕獲を導入した。

その後は被害額が減少傾向となったものの、2025年度は約268万円に増加。町はクマの大量出没への対応が優先され、サル対策が十分に進まなかったことも要因の一つとみている。

年間100頭の捕獲を目標としているが、過去10年は達成できていない。

サル被害に悩む住民たち

特に被害が深刻なのが青森県境に近い岩館地区だ。

防護ネットでサル被害対策をしている八峰町八森岩館地区の畑
防護ネットでサル被害対策をしている八峰町八森岩館地区の畑

住民たちは防護ネットを張るなどの対策を続けているが、被害は後を絶たない。

住民の1人は、「近所で5月の連休あたりにジャガイモを植えていたら、ある程度大きくなったところをみんなサルに取られた。いたずらされた」と話す。

サルによる農作物の被害は後を絶たないと話す岩館地区の住民
サルによる農作物の被害は後を絶たないと話す岩館地区の住民

さらに、「収穫しようと思ったら、サルが電線の上から見ていて取られたという話も聞いた」と被害の実態を明かす。

町は8基ある箱わなのうち半数を岩館地区に設置しているが、サルがわなを警戒するようになり、実際の捕獲は猟銃に頼る割合が大きくなっている。

安全対策と情報共有の課題

八峰町鳥獣被害防止計画に示されている猟銃使用時の安全対策
八峰町鳥獣被害防止計画に示されている猟銃使用時の安全対策

町は散弾銃などを使用する際、山や土手など弾を受け止める場所を確認し、安全対策を徹底するよう猟友会に呼びかけている。

一方で、追い払いの実施日時や場所をその都度住民へ周知する仕組みはない。

住民からは「銃による追い払いの実施情報は、知らないよりは知っていた方がいい。クマが出たときと同じで、そういう町内放送がされても差し障りないと思う」と、さらなる情報共有を求める声も聞かれる。

問われる対策のあり方

八峰町役場
八峰町役場

町は、猟銃による追い払いの休止が長引けば、サルが人への警戒心を失い、農作物被害の拡大や人身被害につながる恐れがあると懸念する。

事故との因果関係の解明が待たれる中、地域が向き合うのは住民の安全とサル被害対策をどう両立するかという課題だ。

住民の安心を守りながら、深刻な被害にも対応する。その答えを見つけるための模索が続いている。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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