バレーボール男子アジア選手権は11日、決勝トーナメントが初戦、日本は準々決勝でインドと対戦し3対0のストレート勝ちを収めた。試合後、コートでのインタビューに応じた髙橋藍は「トーナメントは勝つことが重要。その目標は成し遂げられた」と喜びを口にしながらも、「まだまだ改善できるポイントも多い」と課題を口にした。
髙橋藍のサーブが効果を発揮
世界ランク49位(11日時点)、その数字を見ればストレート勝ちも当然と見られるかもしれないが、インドの強烈なサーブとスパイク、ミドルブロッカーのパワフルな攻撃は世界ランクだけでは見えない強さがある。日本の守護神でサーブレシーブには定評があるリベロの小川智大も「警戒していた」というのがアウトサイドヒッターのチラーグ・ヤダフ。高い打点から放たれるパワフルなサーブにエースも献上した。

狙うコースやスピード、サーブの素晴らしさを称えながらも小川の言葉からは、常に対応策を持って臨んでいたことがうかがえた。
「(ネットを正面に見てコート後方右側の)ゾーン1のエリアに結構ガンガン打ってくる映像を見ていたので、そこは警戒しなきゃいけないと思っていました。ただ、どこをやられたかはわかっているし、映像をすぐ見返したら、ちょっと遠かったけど行けない位置ではなかった。次は修正しようと思っていたし、(次戦以降も)同じようなケースが来ても修正して対応したいです」

崩されてもすぐ立て直す。修正力の高さは小川だけでなく、相手のサーブや強烈なスパイクで攻められても崩れない。サーブで攻められても小川、髙橋がレシーブでつなぎ、深津英臣のトスから好調の西田有志や、髙橋、石川祐希が決め、サイドに警戒が集まればミドルブロッカーの小野寺太志、エバデダンラリーの速攻が鮮やかに決める。決勝トーナメントに入り、選手のギアが着実に上がる中、4本のサービスエースを含めたチーム最多の14得点を挙げた髙橋は「リズムを持ってくることができた」と手応えを示した。
途中出場の選手も存在感
決勝トーナメントの最後は3連戦。日本代表にとってはハードな日程だが、インド戦ではスタメン出場の選手に加え、途中出場の大塚達宣、富田将馬、2枚替えで投入された宮浦健人、河東祐大も持ち味を発揮した。

第1セット終盤には大塚がサービスエース、第3セットのマッチポイントとなる24点目をレフトからのスパイクで決め、第2セット終盤には富田が25点目をバックアタックで決めた。出場機会が限られている中でも着実に、それぞれの役割を果たすのはそれほど簡単なことではない。

コートでのプレーだけでなく、ベンチから気づいたことをコートに立つ選手に伝え、実際に自分が入った時は必要な要素を形にする。サービスエースはまさにそれが形になって表れた結果であると大塚が明かす。

「この大会、藍のサーブがとにかくすごいので。外から見て、このコースに打てば決まるという情報にもなるし、実際パス(サーブレシーブ)をする選手としての目線で見れば、打たれたら嫌だな、というコースなので、自分も狙ってみよう、と。イタリア(リーグ)でのシーズン中から意識してきたコースではあるんですけど、アジア選手権に向けた練習でも精度を高めてきた。得意なコースや同じ場所ばかりではなく、いろいろな場所からいろんなコースへ打つ練習をしてきたこともつながっていると実感できています」
65勝64敗の韓国と準決勝で激突
残るは2戦、12日の準決勝では韓国と対戦する。対戦成績は65勝64敗。拮抗しているが、宿命のライバルと言われたのは過去のこと。世界ランキング6位の日本に対し、韓国は24位(12日時点)。ネーションズリーグでも18年以降対戦がないが、高さや戦術、経験において日本が見劣りするものはない。

とはいえ、近年の国際試合では日本、イランに次いで中国が上位進出を果たすことが多く、アジア選手権に向け、日本代表選手たちがアジアのライバルとして挙げるのはその2か国が多かった中、準々決勝では韓国が3対1で中国を打破した。大一番にかける強さは比類ない。今大会でもオポジットのホ・スボンがアタック、サーブ、総得点で全体の2位につけチームを牽引する。爆発力を発揮されると厄介だが、それも織り込み済みとばかりに小川が言った。
「自分が相手の目線で考えたら、韓国が日本に勝つためにはサーブで攻めてこないと無理だと思うから、いつも以上にサーブをガンガン打ってくるはず。それはどの国も同じで、僕らも自分たちよりも強い相手に対してはサーブで攻めるのが鉄則。今の日本はコンビの精度も実力も、圧倒的に上だと思っているので、そういう相手に対してはサーブで崩して来ようとするだろうから、そこをいかに抑えるか。それだけです」
いよいよ準決勝、今大会でのロサンゼルス五輪出場権獲得、そしてアジア制覇に向け、韓国との決戦に臨む。

