男子バレーアジア選手権が4日に開幕、男子日本代表はオマーンと対戦した。世界ランキング64位、ほぼ対戦がない相手に第3セットを与えたが、石川祐希、髙橋藍のサービスエースで連続得点し、セットカウント3対1で勝利した。
流れ引き寄せたブロックフォロー
ミックスゾーンで開口一番、初戦の難しさを語ったのはリベロの山本智大だ。
「いやー、難しいですね。テンポやリズム、スパイクを(相手が)どこに打ってくるかわからない状況もあった。2セット目をあれだけの点差(13点)で抑えて勝った後の第3セットの入り方も非常に難しかったです」
オマーンからすれば世界ランキング6位の日本は格上だ。負けてもともと、当たって砕けろとばかりにサーブで攻め、スパイクでも力いっぱい打ってくる。
日本の武器であるブロック&ディフェンスが機能すれば、難なくつなげる打球も、山本が「どこに打ってくるかわからない」と振り返ったように、想定外の場所へ飛ばされることもある。
加えて、どんな大会でも初戦は独特の緊張感も伴う。
7年ぶりのA代表復帰を果たし、五輪予選は2016年以来となるセッターの深津英臣も「状態はまだまだ。自分のトスも悪かったので、もうちょっと上げていきたい」と振り返る。
序盤から相手のブロックに日本の攻撃が阻まれる場面もあったが、そこで失点にせず、正確なブロックフォローでチームを立て直したのが山本だ。
「個人としてもチームとしても(最初の)10点までに自分たちのリズムをつくっていこうと話していました。なかなかリズムがつかめなかったので、流れを持ってくるためにブロックフォローやチャンスボール、基本的なところをしっかりやろうという意識はして臨んだので、序盤に2本、落ちそうなボールを拾って点につなげられたのは大きかったと思います」
効果を発揮したショートサーブ
多くの選手が「難しかった」と口にする初戦で、流れを引き寄せたのは山本の堅守や、小野寺太志、西田有志のブロックもさることながら、サーブで効果を発揮したのも大きい。第1セットから石川、髙橋が緩急をつけたサーブで得点を重ねるシーンも目立った。
アジア選手権に向け、髙橋は「合宿期間中からサーブを磨いてきた」と明かし、その成果をこう語る。
「相手の状態を見ながら、アジア選手権で対戦するチームに対してはショートサーブが非常に効くイメージがありました。そこをまず試してみよう、と自分も使いましたし、石川選手も使っていた。それが中盤から終盤にかけても効いたので積極的に使いました」
オマーンは上背があるわけではなく、しっかり助走をとってからスパイクを打ってくる選手が多い。
ショートサーブを打てば、レシーブする際には前に出なければならず、そこから助走に入ると体勢を崩したり、ジャンプが十分でなくなることも増えるため、日本のディフェンスで防ぐのは十分可能だ。
ただサービスエースを狙うのではなく、ジワジワと相手を崩して、思い切り打ち付けてきたボールをブロック、レシーブでつなぎ着実に得点する。第3セットを取られても、一貫して日本の武器である戦術に基づいたサーブを打ち続けられたことが勝利へと導く要因となった。
「ミス少ないチーム」次戦の鍵もサーブ
予選ラウンド2戦目、6日は世界ランク44位のバーレーンと対戦する。
初戦のオマーンと同様に対戦成績は少ないが、過去8度の対戦はすべて日本が勝利している。
3年前のアジア選手権でも対戦したが、当時の印象を髙橋は「オープン(トスを打つ)バレーというよりもコンビバレー。スタイルは日本に似ていて、ミスが少ないクオリティの高いチーム」と語る。
コンビバレーを自在に展開させないためには、やはり鍵になるのはサーブだ。
オマーン戦と同様に緩急をつけたサーブで揺さぶり、相手の攻撃をシンプルにできれば、日本の堅守が勝る。
髙橋は「様子を見るのではなく自分たちからアグレッシブに攻めたい」と語った。
次戦へ向け、守護神・山本は表情を引き締める。
「得失点差などは気にしない。今まで積み上げてきたものはネーションズリーグでも証明しているので、コートに入るメンバー、後から入るメンバーも含めてそれぞれが役割を果たして戦っていくこと。しっかり勝つことが大事だと思います」

緊張の初戦は終えた。ここからは上がっていくだけだ。

