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フレンチや寿司も食べられる!進化する『嚥下食』 診療報酬改定で新メニューの開発進む 料理人の学習重要【福岡発】|FNNプライムオンライン
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フレンチや寿司も食べられる!進化する『嚥下食』 診療報酬改定で新メニューの開発進む 料理人の学習重要【福岡発】

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飲み込む力が低下した人が食べやすいように、とろみなどを調整した『嚥下食』。高齢化が進む中、食べる喜びが心身の健康を支える大きな要素になるとして、今、様々な嚥下食が工夫され、進化している。

フレンチも登場『嚥下食』

福岡市中央区の桜十字福岡病院が開いた試食会。マグロやカンパチ、アナゴなど、新鮮なネタが食欲をそそる。

『嚥下食』試食会(桜十字福岡病院)
『嚥下食』試食会(桜十字福岡病院)
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「普通の寿司と同じネタを使っているが、飲み込みができない人もみなさん食べられる‟嚥下食”になっています」と話すのは、『桜十字福岡病院』の松尾頼料理長。

嚥下食とは、加齢や病気、障害などで、食べ物を飲み込む力が低下した人でも安全に食べられるように食材の固さやまとまりを工夫した食事のこと。

例えば、寿司ネタは、新鮮な魚を細かく刻みゼラチンで固めていて、シャリは、おかゆを即溶性粉寒天で固めて作っている。

トロを食べた記者によると「歯を使わなくても口の中で軽く押し潰すだけで喉をゆっくり通っていく感じ。しっかりマグロの寿司を食べた満足感がある」という。

トロの寿司(嚥下食)
トロの寿司(嚥下食)

この他、試食会の会場では、和牛ステーキの赤ワインソースやローストビーフなどの嚥下食が提供され、訪れた高齢者や医療従事者らが味わっていた。

「食べられずに諦めるものと思っていたから。工夫が凄いなと思って感動した」と話す人や「奥歯がない人は、丸飲みしてしまうが、この形態になると食べやすくなる」などと評判は上々だ。

1食あたり76円の特別食加算

試食会で披露された豪華な嚥下食。「今年の診療報酬改定。特別食加算の中に嚥下食が追加になった。やはり高齢化になればなるほど嚥下食が必要になってくる」と開発した『桜十字グループ』看護師の建山幸さんは背景を説明する。

1人1人の飲み込む能力に合わせて作られる嚥下食は、通常の入院食に比べて調理工程が多く、手間が掛かる。

こうした中、国は2026年6月から入院時の『美味しくて安全な形態で適切な栄養を含む嚥下食』に対し、1食あたり76円の特別食加算を付けた。

この診療報酬の改定により、資金面で『嚥下食』を導入しやすくなったのだ。

では、なぜ『すし』の嚥下食を作ったのか?「隣で普通の刺身を食べている人がいる中で、『私も隣と同じ物を食べたい』という声をいただいて…」ときっかけについて振り返る松尾頼料理長。

「こういう料理で、食欲が増して食べられるようになると、栄養もとれて健康に繋がる」と嚥下食のメニュー開発の意義について語った。

この病院では、試食会を通じ、病院の中だけでなく自宅で家族を介護する時などにも嚥下食が広がればと考えている。

「食事は凄く大事で、家に帰って点滴や胃ろうチューブからの栄養が入ると介護負担は凄く大きくなる。

食べていないと栄養がないので横になって寝て生活する。そうすると重力で痰は肺の中に張り付いている状況が続いてしまう」と看護師の建山幸さんは、口から食事をとることがいかに重要かを強調する。口から食べられるようになると、会話が増え、姿勢や呼吸が改善されることもあるというのだ。

自宅での介護がますます重要性を増す中、「口から食べることの効果は、最期まで力強く生き抜くところに直結していると思う。家族と見た目が同じようなものを食べていける社会になれば」と建山さんは話していた。

料理人にも嚥下食への教育機会を

医療や介護の現場以外でも、嚥下食への取り組みは、進んでいる。福岡市博多区のビュッフェレストラン『リタの農園』。

店内には、野菜を中心に優しい味わいの料理が並ぶ。事前に客からの要望があった際は、これらのメニューを嚥下食にして提供している。

「うちの店を同窓会で使われたお客様がいて、『恩師もかなり高齢なので嚥下食でないと外食できない』とのことだったので、うちの料理を楽しんで欲しいという思いが先に立ちました」と『リタの農園』佐野智幸代表は話す。

『リタの農園』佐野智幸代表
『リタの農園』佐野智幸代表

メニューは、『アジの南蛮漬け』や『チンゲンサイのチリソース添え』など様々。嚥下食にする時も、鮮やかな彩りに拘り、食欲がわくよう工夫している。

「嚥下食が必要な人は、本人も家族も外食を諦めている人が結構、多いと思う。やっぱり、食事は楽しいもの。外に出て家族や友達と一緒に食事する。そういう機会を提供できれば」と佐野代表。

料理人の嚥下調整食への関心は高い一方、学ぶ機会が十分に提供されていないという課題がある。料理人が体系的な教育機会を得て、医療・リハビリ専門家と連携できるようになれば、安全性に配慮しながら味や見た目も楽しめる食事の提供が可能になり、嚥下障害のある人や高齢者の食の選択肢の拡大にも繋がるとみられている。

大事な人といつまでも美味しいものを食べる喜び。食物アレルギーや生活習慣病への対応など、複雑化する食のニーズが広がるいま、嚥下食の充実で健康寿命が延び、老後の幸福感が高まることが期待されている。

(テレビ西日本)

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