長引く雨不足の影響で取水制限が続いていた宮崎県の広沢ダムで、台風24号による大雨を受けて貯水率が100%に達し、取水制限が解除された。わずか8時間ほどで貯水率が急回復する記録的な雨となり、上流部では水面が木々に達するほどの高い水位を記録している。これから作物の定植を迎える農家からは安堵の声が上がる一方、今回の雨は農地への被害という課題も残した。
わずか8時間で貯水率が30%から100%へ急回復
宮崎県綾町に位置し、主に農業用水を確保するための広沢ダムでは、雨不足に伴う貯水率低下のため、宮崎市が8月15日から取水制限を実施してきた。

状況を一変させたのは、台風24号がもたらした大雨だった。9月4日午前6時時点でわずか30%にとどまっていた貯水率は、降雨により約8時間後には100%へと一気に跳ね上がった。この回復を受け、宮崎市は9月7日夕方に取水制限を解除した。

河野亜邪記者:
広沢ダムの上流側に来ています。大雨の影響で貯水率が100%となったこのダムはここから見ても木につきそうなほど高い水位になっているのが分かります
現地取材では、ダムの上流部で水面が周囲の樹木に届きそうなほどの高水位に達している様子が確認された。
「恵みの雨」に胸をなでおろすキュウリ農家
取水制限の解除は、これから作物の植え付けを行う農家にとって大きな支えとなった。
宮崎市高岡町でキュウリとコメを栽培する脇元敏幸さんは、これからキュウリの苗の定植作業に入る段階であった。キュウリの栽培には大量の水が必要不可欠となるため、脇元さんは「ダムからの水が来なかったら定植も大変な状態だった。非常に助かる」と語り、水不足の解消を歓迎した。
稲刈り直前の田んぼに土砂流入 農地に残る爪痕
一方で、今回の大雨は農地に試練も与えた。脇元さんの田んぼでは、雨の影響で崩れた土砂が排水路を塞ぎ、水が抜けなくなってしまう被害が発生している。
9月末には機械を用いた稲刈りを控えているが、排水機能が阻害されたことで作業への支障が懸念される。
脇元さんは「排水ができるようになるにはだいぶ時間がかかるのではないか。雨が降るとまた溜まってしまう」と頭を悩ませる。
それでも「これくらいで済んでよかったと思って、また励んでいかなければならない」と前を向く。今回の雨は農業用水の確保という恵みをもたらしたと同時に、農地管理の難しさを浮き彫りにした。
(テレビ宮崎)
