批判の声が高まる福岡県議会で、疑惑の渦中にいる幹部らの辞職や役職の辞任が相次いでいる。そうした中、進退が注目されていた自民党福岡県連の松本国寛会長が、9月5日、会長職の辞任を表明した。
自民福岡県連会長も辞任表明
9月5日、週末の午後。自民党福岡県連の事務所に次々と議員たちが入っていく。この日、開かれたのは、臨時の執行部会。注目されたのは、県連トップである松本国寛会長の進退についてだ。

松本会長は冒頭、「執行部会の皆さん方に私の考えを聞いて頂いて、そして、皆さんと一緒になってこの信頼回復の一歩を踏み出していきたい。きょうの会議は、極めて大切な会議」と挨拶した。

2026年7月4日、吉松源昭県議がTNCのカメラの前で「私も結局カツアゲされたようなもの」と告発した正副議長ポストを巡る『金銭授受』疑惑。
吉松県議が現金を手渡した相手として、名指ししたのは、蔵内氏を頂点とする幹部5人だった。

止まらぬ‟辞任ドミノ” 5人中4人
そのうちの1人、中尾正幸前副議長は、吉松県議とのやりとりを録音した『音声データ』を公開された。

「ちょっとね、大金やけんね。管理しとかんと」(音声データより抜粋)。

これに対し、中尾氏は、疑惑を完全に否定。「(音声データは)よく似てるんですけれども、記憶にないので、6年前で。そもそもお金を受け取っていないので」と自らの潔白を主張した。

しかしその後、県政を混乱させた責任を取るとして、7月24日に議員を辞職した。

「正直、やってよかったと思っています」。こう語ったのは、県議団の会長を務めていた松尾統章県議。

松尾県議は、熊本地震が発生した直後に、政治資金パーティーを開いたことやその後の発言を巡って批判が相次ぎ、8月7日、会長職を辞任した。
そして、8月25日には、県議会の“ドン”、蔵内勇夫元議長も突然、「福岡県議会議長、そして福岡県議会議員も辞職いたします。自身の進退を巡って、混乱が続くことは本意ではない」とのFAXを報道各社に送り、遂に、議員辞職した。

蔵内元議長は、東京で辞職表明した際、報道陣に「後日福岡でゆっくり報告したい」と話していたが、現在に至るまで会見は開かれておらず、県民への説明は何もないままだ。

「現職全員に公認出せない」の意味
一連の問題を巡り、県議の辞職や役職の辞任が相次ぐ中、松本国寛県連会長は8月、自民党本部に事情説明のため上京。

鈴木幹事長から「このままでは、来春の県議選で現職全員に公認を出せない」と通告され、信頼回復に向けた、自浄作用を強く求められていた。

背景には、党全体へのダメージを危惧した高市党総裁の強い憤りがあるとの報道もあった。
そして、9月5日に開かれた臨時の執行部会で、松本会長は、ようやく自身の進退に言及した。

「信頼回復のためには県連として、県議団に対する調査をしなければいけない。私が主導しながら行うというのは、県民の皆さま方の信頼をなかなか得ることができない」

松本会長は、県連として、金銭授受疑惑を調査することを明らかにした上で「当事者である自分が主導するのは難しい」と会長職の辞任を表明した。後任は、今後行われる県連内の選挙で決まり、松本会長は、そのタイミングで辞任するという。

これにより疑惑を指摘された5人のうち4人が、結果的に辞任・辞職に追い込まれた形となった。
福岡県連では、長年、県議が会長を務めてきたが、執行部会では後任について、「県議ではない方がいい」という意見も出た。

参加者の1人、日野雄二北九州市議は、「やっぱり県連会長は、国会議員に戻すべきではないか、ということを言いました。それ(悪しき慣習)が残った原因にも、やっぱり県連会長というのが、県議会議員から出ているというのもあるし…」と率直な思いを口にした。

一方、国会議員として出席した古賀篤衆院議員は、「国会議員でという声は、きょう複数あった。ただ、国会議員だから何か変えられるというわけでもないと思うので、どなたがふさわしいのか…。その中で国会議員はどういう役割を果たせるのかというのは議論して進めていきたい」と慎重な姿勢をみせた。

松本会長は、9月12日までに再び党本部を訪れ、自身の辞任や、新体制による調査について報告するとしている。
2027年春の統一地方選挙に向け、自民党は逆風に晒されることになるが、福岡県議会の場合、“高すぎる”海外視察などを巡り、野党側にも不適切な対応が発覚しており、県民からは、県議会全体の浄化を求める憤りの声が更に高まっている。
(テレビ西日本)

