東京商工リサーチや帝国データバンクによると、富山市内で住宅建築を手がけてきたウィスタが、9月7日までに事業を停止した。ピーク時の年売上高は約4億4000万円の同社だが、外注費の高止まりや競合激化、建築資材価格の高騰が重なり、自己破産申請の準備に入った。負債は約2億1357万円にのぼる。

「WB工法」で差別化を図かるも…
ウィスタは2006年1月、富山市町村2丁目に設立。富山市およびその周辺地域を営業エリアとして、湿気や熱気を逃がす「通期断熱WB工法」を採用した住宅の新築やリフォーム工事を主力事業としていた。東京商工リサーチや帝国データバンクによると、大手を含む同業他社との差別化を図り、ユーザーの住まい方・暮らし方に合わせたオーダーメイドの家づくりを提案することで業容を拡大。2013年8月期には年売上高約4億4000万円を計上し、これが業績のピークとなったという。
外注依存と資材高騰が経営を直撃

ピークを過ぎた後、同社の経営は徐々に悪化し、従前より工事を外注に依存していたため外注費を中心に工事原価が高止まりし、欠損が散発、債務超過の状態に陥った。2017年12月には富山県内の建築工事業者から出資を受け、仕入れや外注における関係を強化することで収益改善を図ったが、競合の激化には抗えなかった。
2021年8月期にはコロナ禍で完成見学会や展示会などのイベントが中止となり、顧客確保に苦戦。売上高は1億7520万円、当期損失は1982万円と赤字に転落し、翌2022年8月期も売上高9497万円、当期損失2970万円と連続赤字が続いた。新型コロナ禍以降の建築資材価格の高騰も経営に追い打ちをかけ、2023年8月期以降は借入金の元本返済を止めることで資金繰りの改善を図るほかなかったという。
近年は本店内で喫茶店を併営したが、集客にはつながらなかったということで、2025年8月期の年売上高は約3500万円にとどまり、ピーク時の約12分の1の水準まで落ち込んだ。
5期連続の欠損、事業停止へ
5期連続の欠損計上と、借入金・仮受金を中心とする債務返済の目途が立たないまま、同社はついに事業継続を断念。9月7日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入っている。
負債は2025年8月期末時点で2億1357万円。うち金融債務は約1億2700万円にのぼるという。

