高市総理大臣が来週にも行う内閣改造・党役員人事を巡り、自民党が実施した「役職希望アンケート」が注目されている。
高市総理は、8日の自民党の役員会で「アンケートの実施を感謝する。全てのアンケートを拝読させていただき、改めて自民党の豊富な人材力を実感した」と言及した。その上で、人事の一任を取り付けた。

これに先立つ、8月の役員会でも高市総理はアンケートが取りまとめられ次第、確認する考えを表明していた。
「役職希望アンケート」は自民党でこれまでも実施されてきた。しかし、人事権者たる総理がこれほど折に触れて、言及するのは異例だ。
総理周辺によると、「総理はアンケートを熟読し、全ての内容が頭に入っている」と話す。アンケートは、初の改造人事に臨む高市総理による“新たな人事手法”の様相を帯びている。

関係者は、「高い支持率を維持する中、高市総理は今回の人事でパフォーマンスはしない。派閥も期数も関係ない。むしろ、政策への理解、法案の説明力で選ぶ」と強調する。
この基準は、派閥に属さず、日々深夜まで政策を勉強し、トップに上り詰めた高市総理の政治家としてのあり方とも合致する。

こうした姿勢は、党内でも広く浸透している。8月以降、党幹部から若手に至るまで、アンケートが話題となり、「アンケートに何を書いた?」「○○と書いた」等という会話が繰り広げられている。
ある議員は、「あくまで手が届く可能性のあるポストを第5希望まで書いた。高市総理が読むと思い、真剣に推敲した」と話す。
一方、アンケートを提出しなかったという閣僚経験者は、総理が熟読したことを知り、「まさか総理がそこまで読み込むとは思っていなかった。出せば良かった」と後悔を口にする。
回答率は過去を上回り、中堅・若手だけでなく、幹部級も回答しているという。
ただ、実際、アンケートの内容がどれほどポストに反映されるのかは未知数だ。
高市総理は、麻生副総裁、鈴木幹事長、片山財務大臣ら政権の骨格を維持する。「ポスト高市」を狙う茂木外務大臣、小泉防衛大臣、小林政調会長は留任させる方向で、閣内や執行部に囲い込む。

また、小林政調会長の側近・大野敬太郎衆院議員ら、複数の保守派の政策通を起用する案も浮上し、「分断作戦」「封じ込め」との見方もあがる。
一方、旧安倍派では、萩生田幹事長代行も続投させる他、自身に近い不記載議員の起用を検討し復帰を目論む。
こうした人事には、来年の総裁選を見据えた再選戦略が色濃く滲む。
消費税減税で大なたを振るい、永田町、霞が関には不満もくすぶる中、残るポストの采配で党内を治められるか注目が集まる。

