食品は、しまい込むと忘れてしまいます。賞味期限を切らさないためには、「見える化」することが大切です。
私は本棚にレトルト食品を並べ、賞味期限の近いものを左側に置いていて、「なるべく左のものから先に食べよう」と家族全員で意識しています。
数が多い缶詰は棚ごとに、長期保存できる食品はカゴごとに賞味期限を分けて置いています。
これらは、ふだんの食事で食べながら入れ替えています。特に本棚に並べたレトルト食品は見える場所にあるので、食べたことや数が減ったことに気づきやすくなります。減ったことが分かれば、また買い足すことができます。
ローリングストックは「食べながら回す」ことが大事です。家族も分かる場所に置いておくと続けやすくなります。
月に一度など、無理なく確認する習慣を
賞味期限が長い食品も、しまい込んだままにしないことが大切です。「長く持つから大丈夫」と思っていると、存在を忘れてしまうこともあります。
月に一度など、無理のない頻度で、家にある食品を確認しましょう。
賞味期限が近いものは、家庭で食べる。足りないものは買い足す。家族が食べにくかったものは、次に買うものを見直す。
そうして入れ替えていくことで、備えは続けやすくなります。
食の備えに、絶対の正解はありません。
小さな子どもがいる家庭、高齢の方がいる家庭、アレルギーがある方がいる家庭、仕事などで家を空けることが多い家庭、それぞれ必要なものは違います。
「防災のために頑張る」のではなく、ふだんの暮らしを少し楽に、少し心地よくする。その積み重ねが、もしもの時にも役立ちます。
ふだんの食事の手間を抜いてくれるものが、災害時には「あってよかった」と思える備えになる。
そう考えると、防災は特別なことではなく、日々の暮らしの中で無理なく続けやすくなるはずです。
今泉マユ子(いまいずみ・まゆこ)
管理栄養士として大手企業社員食堂、病院、保育園に長年勤務。食育、災害食、SDGsに力を注ぎ、2014年に株式会社オフィスRMを設立。レシピ開発を行い、防災食アドバイザーとして全国で500回以上講演を行う。防災士、管理栄養士、調理師、野菜ソムリエ、フードライフコーディネーターなどの資格を持つ。著書・メディア出演多数。

