スポーツ振興のチャリティーイベントのため、4年ぶりに来日したイギリスのヘンリー王子。8月10日まで日本に滞在して、その後、次の目的地のシンガポールへと向かった。


イベントでは、チャリティー活動の重要性を訴え、支援などを求めたが、来日の本当の目的は他にあるとイギリス王室に詳しい専門家は指摘する。

ヘンリー王子が直面する困難について、英王室ジャーナリスト・多賀幹子さんに聞いた。

日本に“出稼ぎ”

ーーヘンリー王子の来日目的は?

主な目的はシンガポールで12日に行われる、ポロのチャリティー競技に出席するためで、これは毎年出ています。

このイベントで集まったお金は、アフリカのレソトという国の子どもたちのために使われるもので、ヘンリー王子が立ち上げた「サンタバリー」という慈善団体が基金を募っています。

イギリス王室ジャーナリスト・多賀幹子さん
イギリス王室ジャーナリスト・多賀幹子さん
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国際スポーツ振興協会・ISPSが、「サンタバリー」を長くサポートしているので、感謝の意味も込めて、シンガポールに行くのであれば日本にも立ち寄りましょうと言うことで来たんだと思います。

ポロはイギリス王室の伝統のスポーツで、馬の管理や広い競技場など費用のかかる貴族のスポーツです。その試合をシンガポールで行い、寄付を集めるのが主な目的です。

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ーーヘンリー王子に支払われる費用は?

「チャリティーなので全く費用は頂いていません」と言われていますが、それはちょっと考えにくいです。

言葉は悪いですが、日本訪問は「出稼ぎ」と言うような意味もあるかもしれません。

ヘンリー王子は最近、経済的にちょっと行き詰まっているところがあります。

兄のウィリアム王子に「王室に帰りたい」と電話するほど経済的なひっ迫を感じている状況で、日本に行ってお金を稼ぐといった考えもあるのだ思います。

1億円は下らないとの憶測

イベント主催者は今回の登壇について、「チャリティーなのでギャランティは発生しない」とし、渡航費や滞在費なども支給することはないとしているが、多賀さんは、過去の実績から「今回も1億円は下らないのでは」と推測する。

ーーチャリティーイベントのギャラはいくら?

イベントには私も参加しましたが、チケットは3000円でした。入場者数は3000人といわれているので、合計900万円ほどになります。

これは警備や会場費などに使われると思います。

アメリカでヘンリー王子が環境問題について講演した際は、1回の講演で1億2000万円が支払われました。それを考えると、今回も1億円は下らないだろうとの憶測が流れています。

シンガポールと日本の両方に行くので、かなりのお金が動くことは間違いないと思います。

海外のイベントに出席したヘンリー王子
海外のイベントに出席したヘンリー王子

ーーそのギャラはどこが払う?

支払われること自体が表に出てきていないので、誰がいつ、どこで、いくら払うかは秘密になっていて、なかなかわかりにくいです。

一般人になったヘンリー王子ですが、国王の息子ですし、5番目の王位継承権を持っているので無料は難しいと思います。

離婚がちらつく不仲説

2020年にイギリス王室の公務を退いて以降も、“お騒がせ王族”として世界から注目を集めたヘンリー王子。

タレント活動などを展開しているが、アメリカの音楽配信サイトの契約が打ち切られるなど、経済的に厳しい状況に陥っているという。

ーー懐具合はかなり厳しい?

そうですね。
ヘンリー王子夫妻はアメリカの音楽配信サイト・spotifyとの契約が打ち切られてしまいました。

最近はあれもダメ、これもダメといった状況にあり、あまりに経済的に苦しくてお兄さんに電話したくらい追い詰められた状態にあると言われています。

メーガンさんについては、シンガポールも日本もヘンリー王子が主役のイベントなので、カリフォルニアでお留守番です。

シンガポールではポロ、日本ではチャリティーの力について講演するので、メーガンさんの出番はありません。今回はヘンリー王子に任せた感じです。

ーーメーガンさんが後日来る予定は?

それは無いと思います。
来日してもメーガンさんが主役を張れる場はないので、それなら行きませんということです。

ーー夫婦の不仲説があるが?

経済的に大変苦しい状況になってきているというようなところから不仲説が流れ始め、ヘンリー王子に至っては、離婚専門の弁護士を雇ったとか、ホテルの中の一室を抑えていて、時々ひとりになりたい時はそこへ行くなどといった話もあります。

2人はいつも仲が良く、腕を組んだり手を握ったりしていただけに、離れている状態が逆に目立っていて、別居、そして離婚に繋がっていくのではないかと言われています。

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そもそも結婚した時から、「3年持たない」と言われていた夫婦で、王室を離脱してアメリカへ行きましたが、メーガンさんはハリウッドでバリバリと頑張りたい一方、ヘンリー王子はプライバシーを大事にして静かに暮らしたいタイプ。

2人の価値観や目指すところがだいぶ違ってきてしまったということです。

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メーガンさんはあくまでも女優やプロデューサーとして、ハリウッドでもっと有名になってお金持ちになりたいという人。

それに対してヘンリー王子は、生き馬の目を抜くようなハリウッドの中には入って行きにくい、馴染めないといった感じで、2人の価値観にずれが目立って来ました。

映画プロデューサーに初挑戦

一方、ヘンリー王子夫妻は、カナダ人作家カーリー・フォーチュンのベストセラー恋愛小説『ミート・ミー・アット・ザ・レイク』の映画化権を獲得し、ネットフリックスの新作映画にプロデューサーデビューするとの話が報じられている。

ーーヘンリー王子の今後のビジネス展開は?

クリスチャンディオールのアンバサダーになるという噂が一時流れましたが、ディオール側がすぐに全面否定しました。

最近では、カナダ人女性作家によるベストセラー小説の映画化権を5億円で買ったというニュースが入ってきました。

プロデューサーとして大ヒットさせ、今の状況を挽回したいという気持ちはわかりますが、これまで一度も映画製作の経験がないために、「失敗が目に見えている」と言われてしまっています。

また、ハリウッドではストライキが長く続いていて、秋までは続くといった話があります。
そうなると映画化の実現はだいぶ先になってしまいます。

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そう言っているうちに立ち消えになってしまうのではとも言われていますが、2人はこれに賭けるしかなく、今は映画に集中していると思います。

脚本も書かなくちゃいけないし、キャストも選ばなくてはいけない中、ストライキが続く現状では、俳優さんたちも出演できないと思います。

2人にとっては、背水の陣で頑張らなくちゃいけないところまで追い詰められているのに、ストライキは続くし、周囲からは「ど素人にやらせていいの?」と批判されるし、先は明るくありません。

ーー映画以外の戦略は?

講演依頼を待っていると思いますが、なかなか声が掛からないのが現状です。

やはりあれだけ王室の悪口を言って、ヘンリー王子の回顧録「スペア」では身内の批判をしたので、ほかの人たちからの印象は決して良くありません。

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一方でメーガンさんも、ベッカム夫妻やジョージ・クルーニー夫妻からは距離を置かれ、テニスのセリーナ・ウィリアムズの第2子のベビーシャワー(※出産前に妊婦を祝うパーティー)には呼ばれませんでした。友達が離れてしまっている状態です。

しかし、メーガンさんは決してくじける人ではないので、野心を燃やして何かに挑戦すると思います。

「大統領になりたい」と言って政界に行くような噂もあるので、まだあの手この手で頑張るんだと思います。