記録的な大雨が福井県を襲ってから5日が経過した。日に日に被害が明らかになり、住宅の浸水被害はすでに332棟に達した。繊維王国・福井でも産地が集積する坂井市丸岡町の向上では、被害額が最大で数億円に上る可能性があり、石田嵩人知事は「事業継続の危機を目の当たりにした」と語った。高市総理大臣は北陸で発生した一連の豪雨を「激甚災害」に指定する見通しを示しており、今後の支援の行方に注目が集まる。
浸水332棟、損壊1棟―住宅被害
今回の大雨による住宅の浸水被害は、坂井市や福井市など6つの市町で計332棟(床上55棟、床下277棟)が確認されている。(9月4日現在・県まとめ)
さらに大野市では、倒木によって屋根が損壊した住宅も1棟報告されている。
発生から5日が経過しても全容の把握には至っておらず、今後さらに被害が広がる可能性がある。
インフラへの打撃も深刻だ。道路が陥没した坂井市丸岡町上久米田の国道364号では、現在も交通規制が続いている。
また、JR越美北線は線路の盛土が流出するなどの被害を受け、運転の全線再開まで1カ月程度かかるとみられている。
河川でも越水や護岸の損傷などが47の河川・279カ所で確認されており、被害は広域に及んでいる。
211社が浸水や設備故障
産業面でも、浸水や設備の故障などの被害を受けた企業は211社にのぼり、被害額の調査は現在も続いている。
そのうちの一社が、坂井市丸岡町で織ネームの製造を手がける「ブランチュール」だ。9月4日は石田嵩人知事が現地を視察した。
8月30日の大雨で、同社工場は床上10センチほどまで浸水し、原材料となる糸や出荷前の製品、さらには織機の基板や部品が水に浸かった。37台ある機械のうち6台が稼働を停止している。
福田勝一社長によると、被害額は確認できているだけで1000万円を優に超えているという。停止中の機械の故障の全容が明らかになれば、総額は最大で数億円に上る可能性があると明かした。

視察した石田知事は「事業の継続が危ぶまれる被害を目の当たりにした」と述べ、「1日も早い支援を講じていきたい」とした。
農業にも甚大な被害が及んでいる。浸水や冠水などの影響で約1700ヘクタールが被害に遭い、中でも最も被害面積が大きいソバは約1400ヘクタールと全体の8割以上を占めている。
被害の調査は続いており、実態の把握にはさらに時間がかかる見通しだ。

高市総理大臣は4日、北陸を襲った一連の豪雨での農地などの被害を「激甚災害」に指定する見通しを示した。指定を受ければ、復旧事業に関する国の補助率がかさ上げされる。地元自治体や被災した企業・農家にとって、財政的な支援につながる重要な一歩となる。

