8月30日午前4時半、福井県の福井・大野・勝山の3市に大雨特別警報が発表された。降り始めからの24時間雨量は勝山で350.5ミリ、福井市美山で318ミリ、坂井市春江で314ミリと、いずれも統計を取り始めてから最大を記録。道路の冠水、河川の氾濫、住宅への浸水など被害が多発し、その全体像はいまだ明らかになっていない。濁流が流れ込んだ住宅や道路では、復旧作業が続けられている。
平年の2カ月分近くが一晩で…記録的大雨
今回の大雨で最大の降水量を記録した勝山市では、降り始めからの24時間雨量は350.5ミリに達し、平年の8月1カ月分の雨量を大幅に上回った。
福井市美山318ミリ、坂井市春江314ミリと同様に、観測史上最大となった。
勝山市内では、九頭竜川に上流から大量の水が流れ込み、激しい濁流となった。
水路からあふれた水で道路が冠水し、住宅への浸水被害も相次いだ。
平泉寺町赤尾地区では複数の法面が崩れ、土砂が道路を塞いだ。収穫前の田んぼでは、周りを囲むブロックが倒れ、水が流れ出していた。それを見た農家は「用水とか排水があふれて田んぼに入って、その水がブロックを押し倒したんやね…どうしようもない」と肩を落とす。
30日午前4時半に発表された大雨特別警報は昼前に解除されたが、各地には大きな爪痕が残された。
「全部パーやね」住宅97棟に浸水被害…猛暑の中での復旧作業
30日午前6時頃、福井市を流れる荒川の水位が大きく上昇。あふれ出た水が道路を越えて反対側の田んぼへと流れ込み、収穫前のイネが水に浸かっていた。
福井市内では30日夕方の時点で、道路の冠水が20カ所以上、河川の氾濫が10カ所以上確認された。森田地区では、芳野川と九頭竜川の合流地点であふれた水が、住宅の密集地に流れ込んだ。

床上浸水の被害に遭った住民は「全部パーやね」。畳が浮くほどの浸水だったという。「小学4年生か5年生の時に一度こういう状態があったけど、それ以来」と振り返り「命あっての物種だね」とつぶやいた。
福井市では早期にり災証明などの申請を受け付けるとしている。
大野市では未明に赤根川が氾濫水位を超え、避難所には多くの市民が身を寄せ、不安な一夜を明かした。
猛暑の中での復旧作業
記録的な大雨から一夜明け、県全体では住宅への床上・床下浸水は97棟(床上14棟、床下83棟)が確認された。
中でも坂井市の被害が突出し、床上浸水が9軒、床下浸水は県内最多の57軒に及んだ。また、市内すべての小中学校が臨時休校となった。
取材班が現場に向かうと、前日にはガードレールの高さまで達していた水位が、翌朝になってもほとんど変わらない状況だった。
午前中から30度を超える暑さの中での復旧作業となった。
「いまから畳を上げる」と家具を外に運び出す住民。水の引いた場所では、土砂をホースで流し、復旧に向けて作業をする人の姿も見られた。
インフラへの影響も出ている。福井市と大野市をつなぐ国道158号では、新丁トンネル東側の出入口付近で斜面が崩れ、現在も通行止めが続いている。復旧のめどは立っていない。

