熊本地震の発生から約1カ月。現地では今も断水や避難所での生活が続いている。8月3日から6日に被災地・熊本を視察した北陸学院大学の田中純一教授が現地で目にしたのは、能登半島地震と同様の問題だった。避難所の運営や、支援物資を必要とする人に届けること。課題解決には何が大切なのだろうか。
北陸学院大学の田中純一教授が熊本地震の現地視察で感じたこととは
北陸学院大学の田中純一教授は災害社会学が専門だ。これまで東日本大震災や能登半島地震など、各地の被災地支援に携わってきた。
田中教授が8月3日から6日まで訪れたのは、最大震度7を観測した熊本県の氷川町や震度6強を観測した八代市だ。現地で目にしたのは、能登半島地震でも課題となった避難所の運営や支援物資の問題だった。
田中教授は「私が見て感じたことですけど、さほど(能登半島地震の)教訓が生かされているとは思えなかったのが、率直な印象。同じ八代市内でも避難所によって全く状況が違っていた。うまくまとまっている所とかなり混乱している所。そういった違いが明らかに出ていた」と言う。
地震発生から1週間が経った避難所では、段ボールベッドなどが設置されプライバシーが確保されているところがあった一方、床にマットを敷いて寝ている人もいて、生活環境に差が見られたそうだ。

さらに、「(支援物資が)倉庫の中にずっと留まっていて、各避難所に必要なところに十分に届いていないという現象があった」と田中教授は指摘する。

国から送られた支援物資が必要とする被災者に届かない“ラストワンマイル”の課題。能登半島地震でも同じ課題が指摘された中、田中教授は「災害後の支援のあり方を改めて考えさせられた」と話した。

被災者一人ひとりに支援を届ける難しさ。これを解決するには行政だけではなく、災害支援の経験を持つNPOやボランティアとの連携が欠かせないと、田中教授は強調する。
一方、能登では災害公営住宅への入居が始まり、暮らしの再建が新たなステージに入っている。
田中教授は、普段からの地域のつながりが重要だと訴える。

田中教授は「住民一人ひとりの声に耳を傾け、寄り添いながら、将来への希望を持てるコミュニティを作ることが大切だと」話した。
(石川テレビ・8月25日放送)
