宮崎県日南市で最大震度6弱を観測した日向灘南部を震源とするマグニチュード(M)7.1の地震から早くも2年が経過した。現在の日向灘の状況はどうなっているのか、宮崎公立大学の山下裕亮准教授に話を聞いた。南部で見られる変化や、将来必ず来るとされる北部の巨大地震リスク、そして私たちが今すぐ行うべき大切な備えとは。
日向灘の現状と北部のリスク
2024年8月に日南市で発生したM7.1の地震。

この時、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を初めて発表し、県民に1週間程度巨大地震に注意するよう呼びかけた。
2026年8月2日には日向灘を震源とするM5.3の地震が発生したが、これは2年前の日向灘での地震に関連するものなのだろうか?宮崎公立大学の山下裕亮准教授に話を聞いた。

宮崎公立大学 山下裕亮准教授:
関連してなくもないとは思う。日向灘はM7クラスの地震を起こす領域が、日向灘南部と北部で分かれて分布している。8月2日の地震はちょうどこの境目のところで発生した地震で、メカニズムが2024年の地震の「プレート境界地震」という地震ではなくて、「プレート内地震」という地震だった。1987年に発生した地震とかなり近いところで発生した印象がある。

日向灘の南部(宮崎沖)では約30年周期でM7クラスの地震が発生しているという。
現在の日向灘南部はどういった状況にあるのだろうか?
山下准教授によると、2025年1月の地震で、ある程度は2024年8月の地震の割れ残りが解消し、リセットされた状態ではないかという。

しかし、日向灘南部で1日に発生した地震の回数を積算した図をみると、2024年(M7.1)以降は、地震の発生回数はそれ以前よりも多い状態が続いている。
特に2024年、2025年の地震の震源域周辺で地震活動が活発化しており、M7.1とM6.6の地震の影響が続いている。
8月2日のようなプレート内の地震を含め、引き続き地震活動には注意をはらい続ける必要がある。
日向灘北部の震源域は
延岡市に近い日向灘北部では、どのような状況になっているのだろうか?

宮崎公立大学 山下裕亮准教授:
北部には1968年にM7.5の巨大地震を引き起こした震源域があり、将来必ず大きな地震が発生するとされている。発生した際には強い揺れだけでなく、沿岸部に2〜3m級の津波が押し寄せ、大津波警報クラスの被害が生じる危険性が潜んでいる。
3つのポイント
日向灘を震源とする地震に対して、住民が必ず覚えておくべきポイントを山下准教授に聞いた。
1.「強烈な揺れへの備え」震源が近いため強く揺れやすく、山間部でも崖崩れなどの被害が発生する。家具の固定をはじめとした揺れへの対策が不可欠。
2.「緊急地震速報が間に合わない」震源が陸地に近いため、速報が届くよりも先に大きな揺れが到達する。速報を待たずに、揺れを感じたら直ちに身を守る行動をとらなければならない。
3.「生きている間に必ず発生する」日向灘の地震は南海トラフ巨大地震よりも発生頻度が高く、避けては通れない災害。「必ず来るもの」として、日頃から避難経路や備蓄の確認を行っておくことが重要だ。
日向灘の地震は、私たちの暮らしのすぐ隣にいつもある切実な問題だ。「いつか来る」ではなく「必ず来る」という心構えをもち、家具の固定や避難経路・備蓄の確認など、できることから一つずつ進めていくことが大切だ。
(テレビ宮崎)
