ネパールの山岳地帯で26日に発生した大規模な土石流により、これまでに165人の死亡が確認され、行方不明者は826人まで増えている。
日本人5人と連絡取れず
ネパールの日本大使館は「日本人5人と連絡が取れていない」と明らかにしていて、安否の確認を急いでいる。

また中国のチベット自治区側でも大規模な土石流が発生し、国境検問所の建物に濁流が押し寄せ多くの車やバスが流され、中国メディアはこれまでに3人が死亡、558人が行方不明と伝えている。被害は更に拡大する恐れがあるという。

チベットと中国の被害を合わせると、死者は168人、行方不明者は1384人に上る。
なぜ、これほど多くの犠牲者を生み出した土石流が発生したのか。

当初は地震が原因との情報もあったが、別の見方が浮上している。
氷河や岩石が崩落し1200メートル落下か
複数のメディアや専門機関によると、原因として指摘されているのが、ヒマラヤの山岳地帯で発生した大規模な氷河や岩石の崩落だ。
ロイター通信は、衛星画像を分析した専門家の話として、標高約5200メートル付近で氷河の一部が崩れ、大量の氷や岩石が1200メートルほど下の谷へ一気に落下したと伝えている。

大量の氷や岩石は土砂を巻き込みながら急斜面を流れ落ち、中国とネパールの国境をまたぐボテコシ川の支流、レンデ川に流れ込んだとみられている。
ネパールに本部を置く国際研究機関「国際総合山岳開発センター」は、大量の氷や岩石が川に流れ込んだことで、水や土砂、巨大な岩石を巻き込んだ猛烈な流れが発生した可能性があると分析している。
地震ではなく崩落による揺れでM4.4観測
さらに、土砂などが川を一時的にせき止め、「天然のダム」のような状態ができた可能性も指摘されている。

現地メディアは、ネパールの気象当局による衛星画像の初期分析として、国境付近の上流で川がせき止められ、一時的に湖のような状態になったあと、大量の水が流れ出した可能性があると伝えている。
濁流はボテコシ川からさらに下流のトリシュリ川へと流れ込み、国際総合山岳開発センターによると、下流ではわずか30分ほどで川の水位が最大9メートル上昇した。
一方、アメリカ地質調査所は当初、マグニチュード4.4の地震が観測されたと発表していたが、その後、大規模な崩落による揺れであったと分析を修正した。その揺れの規模はマグニチュード5.2に相当するという。

つまり、地震が崩落を引き起こしたのではなく、大規模な氷河や岩石の崩落そのものが地震のような揺れを発生させた可能性があるというのだ。
ただ、何が最初の氷河の崩落を引き起こしたのかは分かっておらず、専門家らが衛星画像や地震波などを分析し、詳しい原因を調べている。

