畜産県・鹿児島が誇る牛肉ブランドへの信頼を揺るがす事件が明らかになった。鹿児島県指宿市の畜産加工会社・水迫畜産が牛肉の産地を不正に表示・販売していた問題で、元取締役の男が8月18日に逮捕され、鹿児島地検に送検された。
逮捕されたのは元取締役・水迫政輝容疑者(55)
食品表示法違反と詐欺の疑いで逮捕・送検されたのは、鹿児島市紫原1丁目に住む水迫畜産の元取締役・水迫政輝容疑者(55)である。

警察によると、水迫容疑者は2023年9月、他県産の牛肉を鹿児島県産と偽装し、県内の企業に納品した疑いが持たれている。さらに2023年10月には、産地を偽装した商品の代金など約145万円を事業者からだまし取った疑いも持たれている。
今回の容疑で偽装が行われた牛肉は120パック、約60キロとみられている。

仕入れから在庫管理まで「1人で」担っていたか
水迫容疑者は事件当時、水迫畜産の取締役を務め、仕入れや在庫の管理、商品に使う肉の指示を1人で担っていたとみられている。
偽装された牛肉は、ふるさと納税の返礼品を提供する県内の事業者に納品されていた。地域の特産品として全国の寄付者に届けられるはずの鹿児島産牛肉が、実際には他県産だったという事実は、ふるさと納税制度への信頼にも影響を与えかねない問題だ。
2026年4月の家宅捜索を経て逮捕へ
警察は2026年4月、水迫畜産の加工場などの家宅捜索を実施。押収した肉の仕入れに関する書類などの証拠品や、関係者の供述をもとに捜査を進めた結果、水迫容疑者が故意に偽装を行った疑いが高まったとして、逮捕に至った。

水迫容疑者は警察の調べに対し、「確認不足が原因で、意図して偽装したわけではない」と容疑を否認している。
余罪も視野に捜査継続
警察は現在、他の事業者への不正表示など余罪も視野に入れて捜査を進めている。鹿児島の牛肉ブランドへの信頼回復に向け、事件の全容解明が求められる。

