指宿市の畜産加工会社・水迫畜産の元取締役が、ふるさと納税の返礼品をめぐる不正行為で再び逮捕された。今回明らかになったのは、産地偽装にとどまらない「ランク偽装」だ。最も悪質なケースでは、A5ランクを指定された商品に、B2やC1などの格段に低いランクの牛肉を5割以上組み合わせて納品していたという。
再逮捕の容疑と手口
鹿児島県警は10月1日、水迫畜産の元取締役・水迫政輝容疑者(55)を詐欺の疑いで再逮捕した。
容疑の内容は、2023年9月から11月までの間に、業者から指定されたランクよりも低いランクの牛肉を使用した商品をふるさと納税の返礼品として納品し、現金約6350万円をだまし取ったというものだ。

最も悪質とされるケースでは、A5ランクの指定があった商品に対し、B2やC1といった低ランクの牛肉を5割以上組み合わせて納品していた。牛肉の格付けにおいてA5は最高ランクに位置し、B2やC1とはランクに大きな開きがある。ふるさと納税の返礼品として全国の寄付者に届いていた商品が、実態とかけ離れたものだったことになる。
1人で管理、差額で利益か
当時、水迫容疑者は仕入れや在庫管理、商品に使う牛肉の選定などをすべて1人で管理していた。不正が長期にわたって見過ごされた背景には、こうした管理体制の問題があったとみられる。

警察は、水迫容疑者がランクの低い牛肉を使用することで差額分の利益を得ようとした可能性があるとして、動機や余罪などを調べている。調べに対し、水迫容疑者は「黙秘します」と供述しているという。
産地偽装事件に続く再逮捕
水迫容疑者をめぐっては、ふるさと納税の返礼品を提供する事業者に対し、県外産の牛肉を鹿児島産と偽って販売し、約145万円をだまし取ったとして、食品表示法違反と詐欺の罪で9月7日にすでに在宅起訴されている。

今回の再逮捕は、その産地偽装事件とは別の商品をめぐる容疑だ。だまし取った金額も約6350万円と、前の事件を大きく上回る。鹿児島産牛肉のブランドを信頼して寄付した全国の利用者への影響は深刻であり、地域のふるさと納税制度そのものへの信頼を揺るがす事態となっている。
警察は引き続き、余罪の有無も含めて捜査を進めている。

