昭和の中期に建てられ“歴史的価値が高い”とされる福岡市の邸宅が1日限定で特別公開された。
電力事業に貢献した実業家の邸宅
福岡市中央区浄水通の閑静な住宅街。普段なら素通りしてしまいそうな場所の奥に歴史的に希少とされる建物が、ひっそりと佇む。

1950年代に建てられた、通称『観魚荘(かんぎょそう)』だ。

観魚荘は、明治から昭和にかけて九州の電力事業などに貢献した実業家・内本浩亮さん(1885~1977)の邸宅だった。

普段は非公開だが、貴重な建物の存在を知ってもらおうと10月2日、1日限定の見学会が開かれた。

この日、訪れた見学者は「建物が立派だなって、犬の散歩で、近くの方に『どういうお宅なの?』と伺ったことはあります」と話す。しかし内本さんについて、どんな人物かは知らないという。

土地売却 建物が取り壊される恐れ
なかでも風情を感じられるのが、屋敷に隣接する茶室だ。
内本さんは茶人としても知られ、かつては博多湾を一望できたというこの茶室で、福岡をはじめ九州の財界人をもてなしたという。梁には、皮が付いたままの木材が使われ、こだわりを感じる。

2年前には文化庁の調査官が『登録文化財相当』だと評価した。しかし、ある問題が…。
「敷地の売却はもう決まっていて。2027年の末までに建物を移築しないと、建物が残らないというのが現状」と話すのは、観魚荘の保存を目指す有志団体のメンバー『観魚荘倶楽部』の増田晴夫さんだ。

増田さんによると、所有していた内本さんの孫が亡くなり、土地の売却が決まったため、このままだと建物が取り壊される可能性があるという。

「素晴らしい作品、建築がひとつでも多く残っていくことが、福岡、更には日本の建築にとっても大変、意義があることかなと思っています。愛着を持って頂きながら残っていくというのが一番、理想な姿かなと思っています」(観魚荘倶楽部 増田晴夫さん)

団体では今後 移築先を探すとともに、建物について広く知ってもらうため定期的に見学会を開きたいとしている。
(テレビ西日本)

