猛暑が続く夏、暑さ対策が必要なのは人間だけではない。鹿児島県薩摩川内市の畜産農場では、約1万5000羽のニワトリを守るために「体感温度をいかに下げるか」を徹底した取り組みが行われている。冷たい井戸水から腸内環境を整える飼料添加物まで、その工夫は多岐にわたる。
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ニワトリは暑さに弱い
取材したのは、薩摩川内市樋脇町市比野にある藤本第三農場だ。この農場では約1万5000羽の食用ニワトリが飼育されている。

ニワトリは暑さに弱く、体調が悪化すると餌を食べなくなり、死につながることもある。夏場の管理は農家にとって死活問題だ。
井戸水・送風機・スプリンクラーの3本柱
農場が実践する暑さ対策の基本は3つである。
まず、ニワトリに飲ませるのは冷たい井戸水だ。体の内側から温度上昇を抑える。

次に、鶏舎内に設置された送風機で空気を循環させ、熱がこもるのを防ぐ。さらに、スプリンクラーによる散水も行っている。温度や湿度に応じて作動回数や水量を細かく調整し、ニワトリの体に直接水をかけることで体温を下げる仕組みだ。

農場を管理する江夏商事さつま生産課の岩切隼課長は、「ニワトリは暑さに弱いところがあり、体感温度をいかに下げるかが、安定してニワトリが大きくなるポイントになる」と話す。
腸内環境を整える飼料添加物も活用
さらに、えさにはカルスポリンと呼ばれる飼料添加物を混ぜている。腸の環境を整える効果があるとされており、暑さ対策にもつながっている可能性があるという。

アサヒバイオサイクルの橋本将嗣さんは、「カルスポリンの摂取は腸内環境を整え、家畜が本来持つパフォーマンスを最大限発揮できるようにするためのサポートをする」と説明する。高温下でもニワトリが本来の力を発揮できるよう、内側からも支える取り組みだ。

全国の食卓へ
こうして丁寧に育てられたニワトリは、出水市や宮崎県の工場で食肉用に加工され、全国へ出荷される。地元・薩摩川内の農場での地道な努力が、日本各地の食卓を支えている。
【動画で見る▶冷水・送風機・スプリンクラー 1万5000羽のニワトリを守る「夏の戦い」 鹿児島・薩摩川内の畜産農家が挑む暑さ対策 】

