2026年の夏も、鹿児島県内では猛暑日が続出している。「気温が全然昔と違う」「東南アジア並みになってくるのではないか」――街行く人からはそんな声が上がる。そして暑さとともに家庭を悩ませるのが、かさむ光熱費だ。エアコン・お風呂・冷蔵庫、それぞれの節約ポイントを環境カウンセラーの丸山裕子さんに伝授してもらった。

「昔と全然違う」 データが示す鹿児島の夏の変化

鹿児島市内で話を聞くと、80代の経営者は「東南アジア並みになってくるのではないですか」と語り、70代のホームヘルパーは「やっぱり気温が全然昔と違うから」と漏らした。肌感覚だけではなく、数字もそれを裏付けている。

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鹿児島市の6月から10月の最高気温の月平均を見ると、2025年は6月〜9月までが30℃を超え、10月も28℃を超えた。これを50年前のデータと比較すると、いずれの月も上昇しているが、特に6月・9月・10月の上昇幅は2℃を超えている。つまり、かつては「秋」と感じられていた時期まで、真夏並みの暑さが続くようになっているのだ。

暑い時期が長くなれば、エアコンを使う期間も当然長くなる。20代の会社員は「5月の頭ぐらいからエアコンを使い始め、家にいるときは24時間つけっぱなし」と話す。

10年前より約4000円高い 電気代の現実

気温の上昇に比例するように、家庭の光熱費も増加の一途をたどっている。総務省のデータによると、2人以上の世帯の電気代は2025年の夏に1万2000〜1万3000円台に達し、10年前と比べると約4000円も高くなっている。

こうした状況を受け、鹿児島テレビが実施した光熱費に関するアンケート(9日間・420人回答)では、「何の光熱費を一番抑えたいですか?」という質問に対し、76パーセントが「エアコン」と答えた。多くの家庭にとって、エアコン代の節約が最大の関心事であることは明らかだ。

エアコン節約術は「サーキュレーターの置き場所」がカギ

節約のポイントを教えてくれたのは、家庭での省エネに詳しい環境カウンセラーの丸山裕子さん。親子向けに「省エネ」講座を開くなど、地域に根ざした活動を続けている人物だ。

エアコンの節約で丸山さんが真っ先に挙げたのが、扇風機やサーキュレーターとの併用だ。

「エアコンの冷房の冷気は下に落ちて、上の方は暖かくなる性質がある。部屋の空気を循環させることによって部屋全体が冷えることにつながる」

置き場所にも具体的なコツがある。扇風機やサーキュレーターは上向きにして、エアコンの真下に設置するのが最も効果的だという。これにより冷気が部屋全体に行き渡り、エアコンが「もっと冷やそう」と余分な電力を消費するのを防ぐことができる。消費電力の観点でも、「扇風機などは1時間使っても1円以下。機種にもよるが安い」と丸山さんは説明する。

窓の「外」に対策を 73%の熱は外から入ってくる

部屋が暑くなる原因のひとつが、窓から入り込む熱だ。「夏の場合、外から暑い熱が73パーセントぐらい入ってくるといわれている」と丸山さんは指摘する。

そのため、窓の内側にカーテンを引くだけでなく、外側に対策を施すことが重要だ。オーニング・すだれ・よしずなどを活用して日陰を作り、外の熱い日射を部屋に入れないようにすることが効果的だという。

また、見落としがちなのがフィルターの掃除だ。2週間に1回程度フィルターを掃除するだけで、年間1000円程度の節約につながるとされている。

「外出するとき、何時間ならつけたままがいいの?」という素朴な疑問に対しては、「エアコンは起動時にいっぱい電気を使う性質がある。1時間程度ならつけたままでもよいのでは」との答えが返ってきた。短時間の外出であれば、こまめに切らない方がかえって節電になるというわけだ。

エアコンに関する節約ポイントをまとめると、以下のとおりだ。

  • 扇風機やサーキュレーターをエアコンの真下に置いて上向きで併用する
  • すだれ・よしずなど窓の「外」に対策を施す
  • 2週間に1回程度フィルターを掃除する
  • 外出が1時間程度ならつけたままにする

「食べて体を冷やす」 国際薬膳師の視点からの提案

丸山さんは環境カウンセラーであると同時に、食材の効能を理解してアドバイスを行う国際薬膳師の資格も持つ。エネルギーを使わずに体の内側から涼しくする方法として、「食べ物」の活用を提案する。

「夏にできるお野菜、キュウリ、トマト、そうめんや小麦を使ったものも体を冷やす」

夏の風物詩・スイカについても触れ、「スイカはカリウムが豊富なので、カリウムが利尿作用を起こして体の熱と水分をとってくれる」と解説した。エアコンに頼るだけでなく、食事の面からも暑さに対処することで、光熱費の削減につなげられるという発想だ。

お風呂・シャワーは「続けて入る」が鉄則

汗をかく夏場は、シャワーや入浴の回数も増える。丸山さんが強調するのは「なるべく家族が続けてお風呂に入り、追い炊きをしない」という点だ。

シャワーについては、こまめに止めるか、節水シャワーヘッドへの交換が有効だという。「シャワーヘッドを交換することで節水が実現できる」と丸山さんは勧める。初期投資はかかるものの、長い夏を通じた節約効果は大きい。

冷蔵庫は「整理整頓」と「設定温度」がポイント

最後は冷蔵庫だ。丸山さんが提案する意外なアイデアが、冷たい麦茶や水を保冷ポットに入れてテーブルやカウンターに出しておくこと。「家族がいちいち開閉しなくても冷たいお水を給水できるのでおすすめ」と語る。冷蔵庫の開閉回数を減らすだけで、消費電力の抑制につながる。

詰め込みすぎも禁物だ。「買った食材を整理整頓し、奥が見える程度の詰め方に」することで、冷気の循環がよくなる。設定温度については、「冬場は弱、夏は中程度」が目安。さらに、熱いものは冷ましてから入れることで、余計な電力消費を防ぐことができる。

市民の工夫 「家族で同じ部屋に集まる」「商業施設で涼む」

アンケートでは、市民が実践している工夫も集まった。「できるだけ家族が同じ部屋で過ごし、エアコン代を節約する」「日中は商業施設など涼める場所に行く」「冷やしたタオルなどを首に巻く」といった声が寄せられた。個々の家庭が試行錯誤しながら、長い夏を乗り越えようとしている姿が浮かぶ。

データが示すとおり、鹿児島の夏は年々長く、そして暑くなっている。その流れに抗うことは難しいが、ちょっとした工夫の積み重ねで光熱費の負担を和らげることはできる。丸山さんが紹介した節約術を、今日から試してみてはいかがだろうか。

【動画で見る▶「ちょっと暑い時期長くない?」鹿児島でも続く猛暑日 光熱費を少しでも抑えるコツをプロに聞いてみた】

鹿児島テレビ
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