能登半島地震で延期となっていた「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放まで、いよいよ1カ月を切った。1泊2日で13万円台から18万円台という高額なツアー商品にもかかわらず、販売からわずか1週間ほどで今年11月末までの2700人分がほぼ完売。キャンセル待ち状態が続くほどの人気ぶりを見せている。

「人跡未踏」の黒部奥地へ、来月2日にいよいよ開放



黒部宇奈月キャニオンルートは、日本一のV字峡として知られる黒部峡谷の欅平から上流の黒部ダムまで、およそ18kmにわたる新たな観光ルートだ。当初は2024年6月に開放が予定されていたが、能登半島地震の影響で延期となり、橋の復旧や落石防止工事を経て、来月2日からの一般開放にこぎつけた。

ルートの利用はすべて旅行企画の商品のみとなっており、JTBの1泊2日プランでは、宇奈月温泉に前泊したうえで翌朝7時57分に宇奈月駅を出発。欅平駅を経由してキャニオンルートを見学し、黒部ダムを抜けて立山駅に至るコースと、その逆ルートなどが用意されている。

「先人の苦労をこの目に焼き付けたい」 申込者の思い


ツアー販売初日、JTB富山支店にも多くの問い合わせが寄せられ、すでに申し込みを済ませた人の姿も見られた。申し込んだ人の一人は「先人がどんな苦労をして開発したのかをこの目に焼き付けたい」と語った。

人跡未踏と言われた黒部峡谷の奥地では、雄大な大自然を守るために地底につくられた多様な電源施設や設備、電源開発の軌跡を目の当たりにすることができる。電源開発の歴史を一目見ようと、県内外から幅広い関心が集まっている。
JTB富山支店業務課の今中梨香さんは「これをきっかけに富山に来て、富山の魅力を最大限に感じてもらいたい」と期待を込める。

新田知事も「大変好調」 インバウンド獲得へも始動
この人気に新田知事も手ごたえを感じている。「現在キャニオンルートツアーの旅行商品については販売は大変好調で、すでに今年度の販売分はかなり完売に近い」と述べた。

さらに、この人気を海外へも広げようと、新田知事が7月にアメリカ・ロサンゼルスでキャニオンルートの魅力をPRするトップセールスを実施。来年以降のインバウンド獲得に向けた動きもすでに始まっている。

県観光推進局の大西謙二係長は「今後も欧米向けなどのPRをしていきたい。外国語ができる専門ガイドの育成も並行してやっていかなくてはいけない」と話す。
県全体の周遊観光の「起爆剤」に

県ではキャニオンルートへの訪問をきっかけに、観光客が県内各地へ足を運ぶことも期待している。大西係長は「キャニオンルートをフックにして県全体の色んな所に周遊していただく。そういった周遊観光の起爆剤になることをキャニオンルートに期待している」と強調した。
県は今後、5月から11月の期間でキャニオンルートツアーの実施を目指しており、年間最大およそ1万人の観光客が訪れることが見込まれている。富山の新たな観光資源として、その存在感はますます高まりそうだ。
(富山テレビ放送)

