ことしはハンセン病患者の強制隔離などを定めた『らい予防法』が廃止されて30年です。また、合志市にある国立療養所菊池恵楓園の入所者自治会が発足から100年を迎えました。これまでの歩みについて、自治会の太田 明 会長に話を聴きました。
『らい予防法』は、かつて日本のハンセン病患者を対象に強制的な隔離や収容などを定めていた法律です。1953(昭和28)年公布治療薬が普及し、病気が治ったにも関わらず、人権侵害が続いたため、当時の全国ハンセン病患者協議会が1991年、国に対して法律の改正を求め、1996年に廃止されました。
この歴史は〈国の誤った政策と差別の克服の象徴〉とされています。
【菊池恵楓園 入所者自治会 太田 明 会長】
「平成8(1996)年でしたね、らい予防法が廃止されて30年。それまでは入所者の生活改善のための運動を主にやってきたんですが、らい予防法が廃止になってから、入所者の被害回復、名誉回復の運動に転換してきました」
合志市にある国立療養所菊池恵楓園です。入所者自治会の太田 明 会長に話を聴きました。
【太田 会長】
「やっと平成8年に廃止されて、ハンセン病国賠訴訟があって、2年後(2003年)に黒川温泉(宿泊拒否)事件が起きて、それからまさに社会の偏見・差別との闘いが再度、改めて始まるんですね」
(宿泊拒否に抗議した入所者自治会に心ない誹謗中傷の手紙が多数届いた)
【太田 会長】
「名誉回復、被害回復はまだ不十分だということで、自治会は啓発活動に積極的に取り組みました。そのための啓発活動の拠点施設としての歴史資料館を作らなきゃいかんということで、企画から完成まで7年かかりました」
ハンセン病の元患者が暮らす国立療養所は全国に13あり、入所者は大きく減っています。
【太田 会長】
「平成8年(1996年)のらい予防法(廃止)のときは、入所者が574名おったんです。現在91名です。(4月3日時点)想像以上のスビートで入所者が減少して、平均年齢も今、87歳ですよ。この30年の歳月の重さをひしひしと感じています。この30年間というのは、大きな歴史の転換期でした。それをなんとか我々、当事者として、なんとか乗り切れたんじゃないかなと思っています」
(桜を背景に記念撮影する親子連れと会った)
(カメラを構える太田さん)
【来園者】
「いとこ同士で、小学1年生、中学1年生、高校1年生なんです」
(姉妹は恵楓園にある『かえでの森こども園』に通った)
【来園者】
「こんな自然に恵まれた所で、お散歩とか毎日させてもらって、『すごく楽しかった』と言っていました」
【太田 会長】
「いいね。いいですね。最高だ。最高のスタート切れるぞ」
(来年夏には園内に合志市の総合運動公園が完成する予定)
(入所者自治会はことし100周年を迎えた)
【太田 会長】
「記念事業として、桜100本植樹しました。100年記念写真記録集を今年度内に発行したいと思います。恵楓園を第二のふるさととして、大事に思っていただければ、思い出として、こういう所で自分たちは60年、70年と生涯を過ごしたことにふさわしい場所だったんだよと。みんなでこうやって作り上げたんだと実感してもらいたいと思います」
