食生活が乱れると筋肉は減る

もう1つの理由は、食生活の乱れ。具体的には、たんぱく質の摂取が足りなかったり、過激なダイエットで食事量を制限したりすることです。

食生活の乱れにも注意(画像:イメージ)
食生活の乱れにも注意(画像:イメージ)

筋肉の原材料となるたんぱく質が足りないと、筋肉の分解が合成を上回りやすくなります。さらに食事量を極端に減らすと、エネルギー収支が赤字となり、不足する摂取カロリーを補うため、体脂肪だけではなく筋肉のたんぱく質も分解されてエネルギー代謝に回されるため、筋肉は減少しやすいのです。 

疲労耐性を高めるために筋肉を保ち、向上させるにはどうすればいいのでしょうか。

散歩や家事などで歩行を伴う身体活動量を増やし、日常的に筋肉を刺激し続けること。さらに筋トレで適切な負荷を加えてやると、筋肉は右肩上がりに増えてきます。すると基礎代謝量が上がり、消費カロリーを底上げしますから、太りにくい体質になります。

年齢に関係なく筋力アップができる

「それはアスリートだけのお話でしょ」などと誤解しないでください。誰でも筋トレに励めば、筋肉が増えて体力もアップします。80代でも90代でも、筋トレで筋肉は肥大するのです。

身体活動や筋トレなどで日中盛んに体を動かしてほどほどに疲れていると、寝入りやすくなって睡眠の質も高まり、疲労回復が促されます。

ヒトには、「暗くなったら眠る」という仕組み以外にも、「疲れたから眠る」という仕組みがあるのです。

同時に欠かせないのは、筋肉の材料となるたんぱく質を十分摂り、不必要なカロリー制限をしないことです。

【TO DO】
■身体活動や筋トレで筋肉を刺激して合成を促す
■たんぱく質を十分摂り、過激なダイエットを避ける
■身体活動や筋トレでほどほどに疲れると睡眠で疲労回復しやすい

『疲労回復の習慣』(日経ビジネス人文庫)

中野ジェームズ 修一
米国スポーツ医学会認定運動生理学士、スポーツモチベーション 最高技術責任者、フィジカルトレーナー協会(PTI)代表理事

中野ジェームズ修一
中野ジェームズ修一

米国スポーツ医学会認定運動生理学士、スポーツモチベーション 最高技術責任者、フィジカルトレーナー協会(PTI)代表理事。
フィジカルを強化することで競技力向上やけが予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。多くのアスリートから支持を得て、2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くからモチベーションの大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」の技術責任者を務める。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。