福岡・太宰府市に聳える霊峰・宝満山。梅雨になると多くの登山者と共に頂上を目指す不思議な“登山ガエル”が現れる。

霊峰・宝満山の梅雨の“風物詩”

九州屈指の人気登山スポット、宝満山。標高829メートルの山を登るのは、人間だけではない。

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前脚と後ろ脚を精一杯、伸ばして上へ上へと向かうのは、体長が僅か1センチほどのヒキガエル。毎年、5月から7月頃の梅雨時に宝満山で見られる光景で、登山者の間ではよく知られた存在だ。

「かわいいです。癒やされます」「自分が歩いていると隣を一生懸命登っているから自分も頑張らなきゃなという気持ちになります」と登山者たちも梅雨時期の風物詩を優しく見守る。

なぜ、カエルたちが山を登るのか?

一体、カエルたちは、どこから登ってくるのか?登山の出発地点は、ヒキガエルの産卵場所となっている山の麓の池が有力視されている。

山麓の池で生まれた約10万匹にものぼる子ガエルたちは、一斉に山を登り始め、約1カ月半かけて山頂を目指すのだ。

「あ、ここいた!水が多くてカエルも歩くのが大変たいね(笑)」。そんなカエルたちを追いかける人物がいる。福岡・筑紫野市在住の末永邦夫さん(81)だ。

もともと山登りが趣味だった末永さんは、カエルの存在を知って以来15年、週に1~2回、その姿を毎年カメラで記録し、SNSなどで発信し続けてきた。

「これこれこれ!登ってますね…あぁ落ちた。だけどまた諦めずに登る。この健気なところがいいですね。こういう小さな生き物でもしっかり生き延びる、生存するために頑張っているというのは、自分も自分なりに生きていかないかんというか…、俺も頑張らないかんなって!はは!」(末永邦夫さん)

研究者も“登山”理由を解明できず

取材した2026年6月23日。子ガエルたちは、100段の石段が続く『百段ガンギ』を越え、7合目に到達していた。

一体なぜ、カエルたちは山を登るのかー。長年にわたり、この不思議な現象を調査している佐賀大学名誉教授の田中明さんは、「こんな高い山を登るのは、全国でもここだけ。なぜ登るかは分からない」としながらも、いろいろな説があると話す。

「例えば、天敵から逃げるためとか、餌を追いかけるとか。自分は、仲間の臭いを追っていると思う。フンをしますよね。それから分泌物とか。そういうのを登山者が靴で臭いを山頂まで広げて、それを追いかけているんじゃないかな」(佐賀大学 田中明 名誉教授)

カエルたちの謎は深まるばかりだが、その姿は登山者たちを魅了し続けている。15年間もカエルを追い続けている末永さんも最近、自分がカエルに元気をもらっていることに気づいたと話す。

「健康だからやってるんじゃなくて、カエルのお蔭で健康になっているということに段々、気づきました。生き甲斐の1つですね」と末永さんは微笑んだ。

早ければ7月初週にも山頂到着か
早ければ7月初週にも山頂到着か

宝満山の子ガエルたちは、早ければ7月初週にも、山頂に辿り着く見込みだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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