長引く中東情勢の緊迫化で、石油由来製品の供給不安や高止まり傾向が続く。日常生活に今後、どう影響するのか。

「恐らく価格は戻らないだろうと…」

北九州市八幡西区のクリーニング店『モリガミクリーニング』。中東情勢の緊迫化を受け、石油系溶剤の価格高止まりなど、厳しい経営状況が続いている。

モリガミクリーニング(北九州市八幡西区)
モリガミクリーニング(北九州市八幡西区)
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「これは、石油由来の『ゾール』で洗う機械。ゾールがないとクリーニング店は、何もできない。洗えないので価格が上がると厳しい」と話すのは、モリガミクリーニングの森上幸俊・社長だ。

ゾールとは、ドライクリーニングで水の代わりに使う石油系溶剤。客の8割が依頼するドライクリーニングに欠かせないもので、この店では毎月、約200リットルを使用している。

ゾールの仕入れ価格は、5月から1リットルあたり320円から450円と大幅に価格が引き上げられた。

アメリカとイランの戦闘終結の兆しが見えたなか、値段が元にもどるのか?

「メーカーに問い合わせたが、恐らく『価格は戻らないだろう』と。ゾールの価格だけでなく、輸送の兼ね合いもあるので、元の価格までは落ちないだろうと」(『モリガミクリーニング』森上幸俊・社長)

また、衣類を包装するためのビニールやハンガーなどの高止まりも続く見込みで、経営を圧迫する状況は当分続くとみられている。

森上社長は「元の価格に戻らないとしても、今より下がってくれればありがたいかな」と自嘲気味に笑った。

「断熱材が、軒並み4割も…」

一方、中東情勢の影響を大きく受けている住宅業界はどうなのか。

北九州市小倉北区にある住宅の設計から施工までを手がける工務店『ハゼモト建設』。中東情勢が緊迫したことによる建築資材の高騰に頭を悩ませてきた。

ハゼモト建設(北九州市小倉北区)
ハゼモト建設(北九州市小倉北区)

ハゼモト建設の櫨本健一・社長は「特に顕著なのが、基礎断熱に使う断熱材。軒並み4割くらい上がっています。なおかつ物も入りにくい状況」と話す。

住宅の床下などで使う断熱材は、中東情勢が悪化する前と比べると価格は4割も上昇。そのほか屋根に使う資材や窓のサッシなど、値上げや出荷数量制限の通知がきた資材を上げるとキリがないという。

戦闘終結の合意を受け、流通の正常化には期待を寄せているが、櫨本社長は「価格は、恐らく下がらないと思いますね―」

「どこも上げてるので。うちも上げようというかたちが連鎖反応で起こってます」と価格が元に戻ることに対して否定的だ。

金利上昇が住宅業界はダブルパンチ

資材の高騰に加え、櫨本社長が最も懸念しているのが住宅ローンの金利。「住宅ローンとか金融機関との兼ね合いがある方は金利も上がっていくし、今まで借りられた方が借りられなくなる、あるいは額を減らさないといけない。だけどモノの値段は上がっていってる」と櫨本社長は話す。

資材費の高止まりが続くなかで、日銀は6月16日に1%への利上げを決定。決して小さな買い物ではない住宅の購入需要は今後、弱まるのではと不安を覗かせる。

「価格が、高止まりをしている状況で、また上がるんじゃないかという不安感。そうなってくるとなかなか建築業界の発注が良い方向になるかというと、これから先の方が寧ろ厳しい局面を迎えるのではないか、という気はしています」(『ハゼモト建設』櫨本健一・社長)。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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