福岡市や春日市など15の市と町でタクシー運賃が、2026年7月から3年ぶりに改定される。福岡では、タクシー需要が増加する一方、運転手不足が続いており、今回の運賃引き上げが、ドライバーの待遇改善に繋げたいと業界は期待を寄せている。

初乗り1.1キロ600円に値上げ

2026年7月1日から福岡市や春日市など15の市と町で、タクシー運賃が改定される。普通車の初乗り運賃の上限額は1.6キロ830円から1.1キロ600円に変更される。距離が短くなることで実質的値上げとなる。

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また、距離に応じた加算運賃は、268メートル80円から287メートル100円となる。九州運輸局の試算では、値上げにより、タクシー会社の収益が10.62パーセント増える見通しだ。

食料品をはじめ、他分野で物価上昇が続く中、利用者は、今回の運賃値上げについて理解は示すものの心境は複雑だ。「乗れないですね、乗れないです。ちょっと頑張って歩いて、限界になってからタクシー乗る」(30代女性)

「痛いのは痛いけど、やっぱり全然なかったら不便でしょ?年寄りは」(90代女性)「仕方ないかな、今は。でも、運賃上がるのは嫌ですよね」(60代男性)

九州運輸局によると、2025年12月以降、対象地域の81事業者から運賃改定の要請があったという。

その背景を知るため、福岡市に本社を置き約300台の車両を保有するタクシー会社『ラッキー自動車』を訪ねた。

取材班は、この日勤務の女性ドライバーに密着。実際の勤務状況を取材した。

運転席前に設置された複数のタブレットには、配車アプリからの通知が次々と表示される。車を走らせると、早速、配車アプリからタクシーを呼ぶアラームが鳴る。

「鳴ったので、今から取ります」。ドライバーの松岡しおりさんは、通知が入ると、すぐに客の元へと向かう。

指定の住所に到着して待っていると予約した客が姿をみせる。「では、発車いたします」。

乗客を乗せ、出発
乗客を乗せ、出発

松岡さんは、その後も次々と客を乗せていく。「私、暑がりなんでもう」(客)「耐えきれなくて乗ってこられた感じですか?歩くにはちょっと距離ありますもんね」(松岡)

この日の松岡さんの乗務は、朝から深夜遅くまで続いた。「1日の最高は50人。50組ですね。雨が降った日は忙しくなります。おとといは40件でした」。

配車アプリで客は増加も運転手不足

近年はインバウンド客の増加に加え、配車アプリの普及で近距離の利用者も増え、タクシー需要は高まっているという。

この会社では、ドライバーの数を430人から650人へと2年間で1.5倍に増やした。

一方で、タクシーの燃料となるLPガスは、この3年で約4割価格が上昇。

更に中東情勢などの影響で、タイヤをはじめとする車両部品の価格も上昇し、タクシー業界を取り巻く環境は年々厳しくなっている。

今回の運賃値上げにつて、『ラッキー自動車』光冨義倫代表取締役は、「乗務員さん達の給料には直に反映してくる。新たにタクシーを志す方にとっても非常にいい判断材料になるのでは。私達は、今まで以上に料金に見合うサービスを提供しないといけない」と話す。3年ぶりの運賃改定がドライバーの待遇改善や人材確保にしっかりと繋がるのか注目される。

『軽自動車』のタクシー導入を認可

タクシー業界では、2026年6月、新たな動きも出ている。九州運輸局は11日、福岡県内のタクシー事業者に対し、軽自動車の導入を認めた。北九州市に本社のある第一交通産業グループでは、6月以降、新たに20台の軽自動車タクシーを導入する予定で、運賃は、普通車と同じだが、細い道などこれまではタクシーでの通行が難しかった場所でも利用が可能になるという。

軽自動車の導入は、初期コストの低さや新たなドライバーの開拓にも繋がるなど、事業者にとってもメリットが多く、今後の広がりが期待されている

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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