「なぜ鹿屋だったのか、唯一の理由は産地です」——そんな言葉とともに、大手菓子メーカーのUHA味覚糖が鹿児島県鹿屋市への工場新設を正式に決めた。人気商品「おさつどきっ」の加工拠点を、原料となるサツマイモの産地に移すことで、品質の向上と歩留まりの改善を図る。7月21日、鹿屋市役所で立地協定の締結式が行われた。

「ぷっちょ」のUHA味覚糖が鹿屋へ

鹿屋市役所を訪れたのは、「ぷっちょ」や「コグミ」などのヒット商品で知られるUHA味覚糖の山田泰正社長だ。同社は、鹿屋市吾平町にある既存の食品加工場を買い取り、2027年9月から主力商品「おさつどきっ」に使用するコガネセンガンの加工を開始する予定である。

UHA味覚糖新工場の予定地(鹿屋市) 2027年9月から「おさつどきっ」用コガネセンガンを加工
UHA味覚糖新工場の予定地(鹿屋市) 2027年9月から「おさつどきっ」用コガネセンガンを加工
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締結式では、山田社長と鹿屋市の郷原拓男市長がそれぞれ協定書にサインした。

福岡まで運んでいたサツマイモ、加工を産地へ

これまでUHA味覚糖は、鹿児島産や宮崎産のサツマイモを福岡まで運んだうえで加工していた。原料の産地と加工拠点が地理的に離れていたわけだ。

今回、産地の一つである鹿屋市に加工場を新設することで、輸送にともなう品質のばらつきを抑えられるほか、歩留まりの向上も期待される。山田社長は「これだけ力強い環境があれば、必ず良い品質のものが作れると思うので、自然に売り上げがついてくるのではと思っています」と語った。

流通する「おさつどきっ」の約半分を鹿屋で

鹿屋市の新工場で加工されるのは、流通する「おさつどきっ」の約半分にあたる2000万袋分だ。さらに、工場の稼働にあわせて新たに23人を雇用する予定であり、地域の雇用創出という面でも注目される。

創業者の故郷・鹿児島への思い

山田社長は鹿屋を選んだ背景として、産地への近さを最大の理由に挙げながらも、もう一つの思いも明かした。「創業者の出身は鹿児島です。鹿児島の徳之島出身です。創業者の思いの込めた土地だからこそ必ず成功する工場になると信じている」。

ビジネス上の合理性だけでなく、創業者ゆかりの地への深い思いが、今回の決断を後押ししたようだ。

鹿屋市長「今後の商品開発にも期待」

郷原拓男市長は今回の協定を歓迎し、「鹿屋の食材を使った様々な商品開発なども今後見込まれるということなので、そういった点にも期待したい」とコメントした。UHA味覚糖との連携が、「おさつどきっ」の加工にとどまらず、鹿屋産食材を活かした新たな商品づくりへと広がる可能性も示唆している。

2027年9月の稼働開始に向け、鹿屋市とUHA味覚糖の新たな関係がいよいよ動き出す。

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