とどまるところを知らない物価高。しかしその一方で、いまコメの価格が下落傾向となっている。背景には一体、何があるのか。現状を取材した。

5キロ3000円を切る価格のコメも

福岡市西区にあるディスカウントストア『ミスターマックス橋本店』。店舗では、2025年秋に収穫された福岡県産の銘柄米を中心に各地のコメを販売している。

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「買ったのは、福岡県産『コシヒカリ』。税別で2700円くらい。去年と比べて、随分安いですよ」と話す買い物客。

「福岡県産米の『夢つくし』もすごく安いなと思って。これから夏休みに入って、子どもたちのご飯も朝昼晩と出る。家計にはすごく助かる」と話す買い物客など、一様に歓迎ムードだ。

福岡のブランド米で売れ筋のひとつ『夢つくし』の5キロ商品の価格は、税込み3238円。店によると、いわゆる“令和のコメ騒動”が落ち着き始めた2026年1月頃と比べても約750円安くなっているという。

ほかにも、福岡県産米は『コシヒカリ』が5キロ税込み2968円。『ヒノヒカリ』が10キロで税込み5398円。5キロに換算すると2699円となる。

更に売り場には、福岡以外の産地のコメも並び、こちらも5キロ3000円を切る商品が販売されている。

『ミスターマックス橋本店』の山口尚毅・次長は「去年のコメ不足の時、(日本)各地へ仕入れ担当が新しく回った。各地のコメの取り扱いが可能となった。例えば、中国地方で人気のあるコメの島根県産『きぬむすめ』。5キロ税込み3000円を切る価格で提供している」と2025年の仕入れ経験を生かした品揃えと価格戦略で“安さ”をアピールする。

コメの価格は全国的にも下落傾向となっている。7月17日に国が発表した全国スーパーのコメの平均価格は、前の週から55円安い3403円で3週連続の値下がりとなった。供給量の不足などで一気に価格が高騰した2025年とは、全く異なる2026年の価格推移だ。

背景に何があるのか。取材すると町の米穀店は想定していなかった現状に困惑していた。

例年に比べると在庫が1.4倍

福岡・宇美町にある『いしぬき米穀店』。取材した日、コメの保管倉庫には精米前の玄米の袋が大量に積み上げられていた。この時期の在庫としては、いつもより多い量だ。

『いしぬき米穀店』の石貫徹也さんは「例年に比べると在庫が、いまのところ1.4倍ぐらいある。去年のコメ不足で客からの問い合わせも多く、例年以上に仕入れをした。コメ余りというか…、去年、獲れた量も多かった。残っている感じもある」と話す。

2025年のコメ不足から一転、コメ余りとなっている2026年のコメ事情。農林水産省によると2026年5月末時点のコメの民間在庫量は、223万トンで2025年に比べて74万トン増えている。2014年と並び過去最高水準だ。

こうした状況が現在のコメ価格を押し下げる要因ともなっている。

米穀店の石貫さんは、店の販売価格を一斉に引き下げた。福岡県産の『元気つくし』は300円安くして5キロ税込み3600円に。

「去年秋は4400円で販売していた。2月、5月、少しずつ下げて今回下げた。店に買いに来た客は、更に300円値引き」と石貫さんは。苦渋の選択だ。価格を引き下げた分、当然、利益は減る。それでも、できるだけ早い時期に在庫を捌いて2026年の新米の仕入れに備えたいとしている。

「いまの仕入れは安い価格での案内が来ているが、倉庫が一杯で入らない。令和7年産の在庫があるので、秋以降、すぐに令和8年産を販売できない。なるべく令和7年産を先にとなるので、販売が難しい感じになってくる」(石貫徹也さん)。

2025年は“令和のコメ不足”に悩まされ、2026年は“コメ余り”に悩まされる米穀店。翻弄され続ける苦悩は続く。

(テレビ西日本)

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