県本土でもっとも早く出荷される超早場米「金峰コシヒカリ」の出発式が、7月21日に鹿児島県南さつま市で行われた。2026年は品質良好で例年並みの収穫が見込まれる一方、全国的な米の供給過剰による価格下落が農家の頭を悩ませている。
例年並みの1350トンを収穫見込み
南さつま市金峰町は、県本土でもっとも早く米が出荷される超早場米の産地だ。2026年は病害虫の被害も少なく、粒が大きく粘り気と甘みがある良質な仕上がりとなっており、収穫量も例年並みとなる1350トンが見込まれている。

21日の出発式にはJAの関係者や米農家が出席し、今シーズンの出荷開始を祝った。出荷のピークは7月下旬を予定しており、金峰コシヒカリは全国各地へと届けられる。

在庫が適正水準を大幅に超過——前払い金も2割安に
品質は良好でも、農家には不安がつきまとう。農林水産省によると、全国の米の民間在庫量は2026年5月末時点で223万トンにのぼり、2025年の同時期より74万トン多い。適正とされる在庫量190万トン前後を大幅に上回る水準だ。

この供給過剰を受け、JAが農家に支払う前払い金も2025年より約2割安くなっている。品質は良好——しかし、全国的な米の供給過剰という逆風が、生産農家に重くのしかかっている。
「品質の高さをしっかりアピールしたい」
厳しい販売環境の中、JAさつま日置金峰水稲部会の本町雄三部会長はこう語った。
「今年は全国的に米の供給量が増えて、販売環境は昨年以上に厳しくなることが懸念されている。このような状況だからこそ、金峰コシヒカリの品質の高さをしっかりとアピールし、販売につなげていきたい」
早期出荷という強みと、粒の大きさや粘り・甘みといった品質面での差別化が、今シーズンの勝負どころとなりそうだ。

7月25日から道の駅などで販売開始
21日に出荷された金峰コシヒカリは、7月25日から南さつま市の道の駅きんぽう木花館と鹿児島市与次郎のおいどん市場で販売が始まる予定だ。価格は5キロ3800円で、2025年より200円安い設定となっている。
米不足の記憶が新しい消費者にとっては手に取りやすい価格となる一方、農家にとっては苦しい値付けでもある。今シーズンの金峰コシヒカリが、産地と消費者の双方にとって実りある結果をもたらすことが期待される。

